2019年6月19日(水)

プレスリリース

東大、青色光を使って意のままにコントロールできるウイルスベクターを開発

2019/5/28 4:00
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発表日:2019年5月28日

光制御性ウイルスベクター

ウイルスベクターの遺伝子発現や増殖を自由自在に操れる世界初の技術

1.発表者:

竹田 誠(国立感染症研究所 ウイルス第三部 部長)

田原 舞乃(国立感染症研究所 ウイルス第三部 主任研究官)

佐藤 守俊(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系 教授)

谷 憲三朗(東京大学医科学研究所 ALA 先端医療学社会連携研究部門 教授)

2.発表のポイント:

◆青色光を使って、意のままにコントロールできるウイルスベクターを開発した。

◆ウイルスベクターの遺伝子発現と増殖を思いのままにスイッチオン・スイッチオフできる世界初の技術である。

◆ウイルスベクターは、再生医療分野、遺伝子治療分野、癌治療分野において不可欠なツールであり、それらの分野における革新的ツールとなることが期待できる。

3.発表概要:

再生医療、癌治療、そして遺伝子治療などの分野において近年医療は目覚ましい進歩を遂げています。これら全ての分野においてウイルスベクターは、不可欠な役割を果たしています。

ウイルスベクターの性能の一つとして期待されつつも困難とされてきた技術の一つが、ウイルスベクターの遺伝子発現や増殖を意のままに操ることでした。この技術があれば、不要になったウイルスベクターは簡単に取り除くことができますし、また必要な場所、必要な時にだけ増殖させることができ、利便性や安全性が飛躍的に向上します。

今回、田原舞乃主任研究官、竹田誠部長(国立感染症研究所)、佐藤守俊教授(東京大学大学院総合文化研究科)、谷憲三朗教授(東京大学医科学研究所)らの共同研究グループは、マグネット(注1)という光スイッチタンパク質を使って、遺伝子発現や増殖を思いのままにスイッチオン・スイッチオフできる世界初のウイルスベクター(注2)の開発に成功しました。

同グループは、モノネガウイルス(注3)の仲間、麻疹ウイルスと狂犬病ウイルスをモデルに用いて実験を行いました。マグネットをウイルスのポリメラーゼ(注4)に組み込んで、青色光で照射された時にだけポリメラーゼが働いて、ウイルスが遺伝子を発現し、増殖することを確認しました。また動物を用いた実験で、本ベクターを接種して青色光の照射を受けた癌が、著しく縮小することを確認しました。今後、再生医療、遺伝子治療、癌治療などの分野を一層発展されることが期待できます。

4.発表内容:

○研究の背景

人工多能性幹(iPS)細胞(注5)に代表される再生医療分野、CAR-T細胞療法(注6)に代表される癌治療分野、そして難病に対する遺伝子治療(注7)など近年医療は目覚ましい進歩を遂げています。ウイルスは、特定の細胞に感染し、効率良く遺伝子を発現することができ、また、人工的な遺伝子操作が比較的容易であることから、目的の遺伝子を特定の細胞へ送り込むための遺伝子導入ツールとして使われてきました。また、ある種の癌細胞に対して強い腫瘍溶解性(注8)を示すことが分かっており、その効果と安全性を高めたウイルスベクターを用いた新しい癌治療法の開発が進められています。一般的に、増殖性の強いウイルスベクターほど、癌治療に対する効果は期待できますが、同時に副作用の危険性が高まります。また、再生医療や遺伝子治療においては、ウイルスベクターによる遺伝子発現の当初の目的が達成された段階で、不要になったウイルスベクターを取り除くことが必要です。しかしながら、ウイルスベクターの意図的な取り除き法については、さまざまな努力がなされてきましたが、確実かつ安全で、効果的な方法は開発されていませんでした。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0510501_01.pdf

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