日本電波工業、5G基地局向け+95℃高温対応の小型9×7mmサイズ恒温槽付水晶発振器を開発
発表日:2019年5月24日

5G基地局向け+95℃高温対応の小型9×7mmサイズ OCXOを開発

日本電波工業(株)は、第5世代移動通信(以後、5G)用の基地局用途向けとして、超小型9×7mmサイズの+95℃高温度動作対応、高精度OCXO(恒温槽付水晶発振器)を開発致しました。2019年7月よりサンプル出荷を開始致します。
近年、画像や動画などの大容量コンテンツ利用により、無線基地局ネットワークの高速化と大容量化が求められています。超高速・大容量のサービスを実現するための5Gモバイルネットワークでは、マクロ基地局を補完するスモールセル(小型基地局)を多数設置する必要があります。この小型基地局は、建物の内部や屋外の電柱などの狭いスペースに設置され、内部部品は高密度実装化により温度が上昇し、外部環境変化の影響を受けることが想定されます。その為、優れた位相雑音特性と同時に、温度変化に影響され難い良好な温度スロープ特性(*1)を持つ小型・高温対応の高安定水晶発振器が求められています。
これらのニーズにお応えするため、当社が長年培ってきたOCXOの高安定化、低雑音、耐環境性能向上技術を結集し、専用ASIC(*2)を開発することによって+95℃高温動作対応と周波数のマイクロジャンプを大きく軽減した温度スロープ特性±0.5ppb/℃を実現しました。今後この技術を集約したICを他の製品にも展開し、更なる超小型のOCXO製品などのラインナップを充実させていく予定です。
なお、本開発品は5月29日(水)から5月31日(金)まで東京ビッグサイトで開催されるWireless Technology Park(WTP) 2019に出品致します。(NDKブース:西3ホール1931)
(※1)水晶発振器の温度変化に対する温度特性を示すものであり、数値が小さいほど周囲温度の変化に対して周波数変化が小さいことを示す
(※2)Application Specific Integrated Circuitの略 特定用途で使用する専用の半導体
【サンプル・量産】サンプル出荷 2019年7月、量産 2019年12月を予定
【製品形名】NH9070WC/NH9070WD
【外形写真】
◇参考画像は添付の関連資料を参照
【製品特性】
・製品サイズ:9.5x7.3x4.1mm
・公称周波数範囲:10MHz~40MHz
・標準公称周波数:20MHz、30.72MHz
・出力:HCMOS
・電源電圧[Vcc]:DC+3.3V
・消費電力(安定時):Max.0.6W
・動作温度範囲:-40℃~+95℃
・周波数温度特性:Max.±20x10-9
・周波数温度スロープ特性:Typ.±0.5x10-9/℃
【特性例】
◇参考資料は添付の関連資料を参照
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参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0510369_01.JPG
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