2019年6月27日(木)

プレスリリース

理研、他人の利益を考慮する意思決定の脳回路を発見

2019/5/22 12:05
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発表日:2019年5月22日

他人の利益を考慮する意思決定の脳回路

-脳回路の働き方の違いが社会行動の個人差にも関わる-

理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター学習理論・社会脳研究チームの中原裕之チームリーダー、ニン・マ研究員、福田玄明客員研究員らの国際共同研究グループ(※)は、他人の利益を考慮する意思決定の脳回路を発見しました。

本研究成果は、他者理解や共感など人間の複雑な社会行動を形作る脳の働きの理解、その脳内情報処理の理解に貢献すると期待できます。

私たちの意思決定は、自分自身への報酬(利益)に基づいて決定されますが、社会的場面においては、自分自身への報酬には関係しない他者への報酬が意思決定に影響する場合がしばしばあります。しかし、他者への報酬をどのように自分の報酬と統合して意思決定に至るのか、その神経メカニズムに関してはほとんど分かっていませんでした。

今回、国際共同研究グループは、fMRI(機能的磁気共鳴画像測定)[1]を用いた実験を行い、その実験データを数理モデル[2]で解析することで、他者への利益と自分の利益を統合する、いわば他人の利益の"脳内為替"を行う意思決定に関わる脳回路を特定しました。さらに、向社会的な人と個人主義的な人では、この脳回路の働き方に違いがあることも発見しました。これは、個人差のある社会的行動の背景に、この脳回路の働き方の違いがあることを示しています。

本研究は、米国の科学雑誌『Journal of Neuroscience』のオンライン版(4月18日付け)に掲載されました。

※国際共同研究グループ

理化学研究所 脳神経科学研究センター

学習理論・社会脳研究チーム

 チームリーダー 中原 裕之(なかはら ひろゆき)

 研究員 ニン・マ(Ning Ma)

 テクニカルスタッフI 原澤 寛浩(はらさわ のりひろ)

 客員研究員 福田 玄明(ふくだ はるあき)

研究基盤開発部門 機能的磁気共鳴画像測定支援ユニット

 ユニットリーダー(当時) カン・チェン(Kang Cheng)

 専門職研究員 上野 賢一(うえの けんいち)

東北大学 学際フロンティア研究所

 助教 鈴木 真介(すずき しんすけ)

スタンフォード大学心理学部

Assistant Professor ジャスティン・ガードナー(Justin Gardner)

国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 微細構造研究部

 部長 一戸 紀孝(いちのへ のりたか)

情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター

 研究マネージャー 春野 雅彦(はるの まさひこ)

※研究支援

本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)「人工知能と脳科学の対照と融合(領域代表者:銅谷賢治)」の「人工知能と脳科学の融合研究の推進(研究代表者:銅谷賢治)」および、同新学術領域研究(研究領域提案型)「意思決定のための価値の生成と統合の脳機能:数理モデルの提案とその実験検証(研究代表者:中原裕之)」による支援を受けて行われました。

*以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0510140_01.pdf

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