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東大、がんの発症・進展を抑えるHippoシグナルをヒアルロン酸がオン・オフ制御することを解明

2019/5/10 0:05
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発表日:2019年5月10日

がんの発症・進展におけるヒアルロン酸の「ジキルとハイド的」役割

1.発表者:

畠山 昌則(東京大学大学院医学系研究科 病因・病理学専攻 微生物学分野 教授)

2.発表のポイント:

◆がんの発症・進展を抑えるHippoシグナルをヒアルロン酸(注1)がオン・オフ制御することを見出し、予後不良の乳がんにヒアルロン酸が深く関与することを明らかにしました。

◆高分子量ヒアルロン酸がHippoシグナルを活性化するのに対し、その分解産物である低分子量ヒアルロン酸はHippoシグナルを不活化し発がんを促すことを見出しました。

◆分子サイズに応じてヒアルロン酸ががんに対し真逆の効果を惹起する機構を解明し、難治性乳がんに代表されるがんの新規予防・治療法開発への道を拓きました。

3.発表概要:

細胞外基質(注2)の主要構成成分であるヒアルロン酸は、組織の構造維持や水分保持などに深く関わっており、最近では、美容医療や整形外科領域でヒアルロン酸投与が行われています。今回、東京大学大学院医学系研究科の畠山昌則教授らの研究グループは、分子サイズの大きなヒアルロン酸(高分子量ヒアルロン酸)ががん抑制性の細胞内シグナル経路であるHippoシグナル経路(注3ならびに図1)を活性化する一方、高分子量ヒアルロン酸の分解によって生じる分子サイズの小さなヒアルロン酸(低分子量ヒアルロン酸)はHippoシグナルの不活化を介してがんの発症・進展を逆に促すことを明らかにしました。さらに、予後不良な乳がんとして知られるトリプルネガティブ乳がん(注4)では高分子量ヒアルロン酸の分解酵素であるHYAL2(注5)が過剰発現しており、高分子量ヒアルロン酸の分解産物である低分子量ヒアルロン酸がHippoシグナルを抑制することでがんの悪性度増強に寄与することを見出しました。

今後、ヒアルロン酸やHYAL2を分子標的とすることで、トリプルネガティブ乳がん等への革新的な予防・治療法開発が期待されます。同時に、本研究は若返りや美容を謳ったヒアルロン酸の安易な使用に警鐘を鳴らすものです。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0508779_01.pdf

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