2019年5月24日(金)

プレスリリース

東大など、生体内で核酸医薬とランデブー(会合)しドッキングしながら脳腫瘍に到達して標的治療を行うナノマシンを開発

2019/4/24 18:00
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発表日:2019年4月24日

生体内で宇宙船の様に核酸医薬とランデブー(会合)し、ドッキングしながら脳腫瘍に到達して標的治療を行うナノマシンを開発

●発表者:

片岡 一則(ナノ医療イノベーションセンター センター長/東京大学未来ビジョン研究センター 特任教授)

宮田 完二郎(東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 准教授)

●発表のポイント

◆失活しやすい核酸医薬を血流中で捕捉(ランデブー)し、選択的にドッキングすることによって安定に保護するナノマシンの開発に成功しました。

◆これにより、膵臓がんや脳腫瘍などの難治がんに核酸医薬を送り込み、標的治療を行う事に成功しました。

◆本ナノマシンは、これまでに困難とされてきた「血流中での核酸医薬の保護」と「難治がん 組織に存在する生体バリアを突破する超小型サイズ(30nm以下)」を同時に実現しました。

●発表概要:

片岡一則 川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター長/東京大学未来ビジョン研究センター特任教授、宮田完二郎 東京大学大学院工学系研究科准教授、近藤豊 名古屋大学大学院医学系研究科教授らの研究グループは、失活しやすい核酸医薬を血流中で安定に保護し、膵臓がんや脳腫瘍などの難治がんへ送り届けるための技術「核酸医薬搭載ナノマシン」の開発に成功しました。

Small interfering RNA(siRNA)に代表される核酸医薬は、その塩基配列に応じて特定の遺伝子発現を調節できることから、がんやアルツハイマー病などの遺伝子変異に由来する難病に対する新規治療薬として期待されています。しかしながら、核酸医薬は体の中、例えば血流中ではすぐに代謝されてしまいます。その結果、核酸医薬の疾患組織への到達効率は低く、十分な治療効果が得られないという問題がありました。

この問題を解決するための技術として、核酸医薬搭載ナノマシンが今回開発されました。このナノマシンは、血流中で核酸医薬とランデブーしてドッキングすることのできるポリマーからできています。核酸医薬はナノマシンとドッキングすることで、分解酵素の攻撃から保護されます。また、このナノマシンはサイズが抗体分子とほぼ同じサイズ(約20nm)と非常に小さいため、生体内に存在する種々のバリアを突破することができます。具体例としては、膵臓がん組織に存在する線維性の間質組織(メッシュ構造)や脳腫瘍に存在する血液-脳腫瘍関門と呼ばれる生体バリアを潜り抜け、がん細胞へと核酸医薬を送り届けることに成功しています。この様な核酸医薬搭載ナノマシンの設計には、構成成分であるポリマーの形と長さが重要になります。本研究で創られたポリマーは、血液中で核酸医薬に結合する一方で、それ以外の生体成分への吸着を抑えるような設計が組み込まれているのです。

現在、この核酸医薬搭載ナノマシンを医薬品として実用化するための取り組みが進められています。膵臓がんや脳腫瘍への新たな治療法の登場に大きな期待が寄せられます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0508111_01.pdf

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