2019年5月26日(日)

プレスリリース

東京農工大と東北大、タンパク質の構造形成を助ける薬剤の開発に成功

2018/12/14 17:50
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発表日:2018年12月14日

タンパク質の構造形成を助ける薬剤の開発に成功

インスリンや抗体など健康維持に必須なタンパク質の

高効率生産への応用に期待

国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門の村岡貴博准教授、岡田隼輔大学院生と東北大学学際科学フロンティア研究所の奥村正樹助教、松崎元紀学術研究員、東北大学多元物質科学研究所の稲葉謙次教授らは、タンパク質が正しく機能するために必要不可欠な酸化的フォールディングというステップを、細胞内で使用されているグルタチオンよりも高い効率で促進する低分子「グアニジンチオール(GdnSH)」を開発しました。GdnSHのような薬剤は、今後インスリンや抗体などジスルフィド結合を含むタンパク質の高効率生産に役立つと期待されます。

本研究成果は、英国王立化学会のChemical Communications誌電子版(11月27日付,doi:10.1039/C8CC08657E)に掲載されました。

URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlehtml/2018/cc/c8cc08657e

■現状:

細胞内では、免疫グロブリンやインスリンをはじめ生体機能維持に重要なタンパク質が大量に生産されます。タンパク質が正しく機能するためには、酸化的フォールディングと呼ばれる、ジスルフィド結合(注1)形成を伴う立体構造の形成が欠かせません。しかし、酸化的フォールディングはうまく行かないことがあり、インスリンや抗体などジスルフィド結合を含むタンパク質の高効率な生産が困難であるケースが知られていました。細胞内ではこの酸化的フォールディングを促進するため、グルタチオンという低分子が広く使われますが、インスリンや抗体など健康維持に必須なタンパク質の高効率な生産に対処するためにより促進効果が高い薬剤が待ち望まれていました。

■研究体制:

東京農工大学大学院工学府応用化学専攻の岡田隼輔大学院生(修士1年)、東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門の村岡貴博准教授、東北大学学際科学フロンティア研究所の奥村正樹助教、松崎元紀学術研究員、および東北大学多元物質科学研究所の稲葉謙次教授らが共同で実施しました。本研究は、科学研究費助成事業若手研究(A)(17H04885)、連携型博士研究人材総合育成システム、物質・デバイス領域共同研究拠点の共同研究プログラムなどによって実施されました。

■研究成果:

グルタチオンに変わる低分子グアニジンチオール(GdnSH)を開発しました(図1)。このGdnSHは、グアニジノ基(注2)とチオールを組み合わせたことで、グアニジノ基の正電荷が、チオール(SH)を負電荷のチオレートアニオン(S-)(注3)に変化させやすくしていました(図2)。この性質によって、GdnSHが高効率な酸化的フォールディング促進剤として働くことを突き止めました。

■今後の展開:

GdnSHのような薬剤は、小胞体内の酸化的フォールディング効率を大きく高めることで、今後インスリンや抗体などジスルフィド結合を含むタンパク質の高効率生産に役立つことが期待されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0498257_01.pdf

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