2018年11月16日(金)

プレスリリース

東大など、受精時にホヤ精子が誘引物質を受容する機構を解明

2018/11/9 19:00
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発表日:2018年11月9日

受精時にホヤ精子が誘引物質を受容する機構を解明

1.発表者:

吉田 学(東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所 准教授)

吉田 薫(桐蔭横浜大学医用工学部 准教授)

柴 小菊(筑波大学下田臨海実験センター 助教)

稲葉 一男(筑波大学下田臨海実験センター 教授)

2.発表のポイント:

◆受精時に見られる卵に対する精子走化性(注1)において、精子が誘引物質 SAAF(注2)を受容する機構がカタユウレイボヤで明らかになりしました。

◆これまで唯一ウニで知られていた精子誘引物質の受容機構とは違い、細胞内 Ca2+濃度を下げる Ca2+ポンプ(注3)の活性が精子誘引物質により制御されていることがわかりました。

◆精子走化性の分子機構の進化の理解につながると同時に、細胞内 Ca2+を外部から制御するための新たな手法が開発されることが期待されます。

3.発表概要:

受精の際に見られる精子の卵への走化性は、植物から動物まで広く見られる現象で、特に体外受精する生物において精子が卵と出会う確率を上げる仕組みと考えられています。しかし、卵から放出される精子誘引物質は極微量であることから、精子誘引物質が同定されている動物種はまだ僅かであり、誘引物質を受容する分子メカニズムも全くわかっていません。

これまで東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所の吉田学准教授らは、原始的な脊索動物であるホヤ類を用いて精子走化性の分子メカニズムの解明を進めてきました。そして今回、桐蔭横浜大学の吉田薫准教授、筑波大学の柴小菊助教、稲葉一男教授らとの共同研究により、カタユウレイボヤでは精子誘引物質は精子細胞膜にあるCa2+ポンプに作用し、精子内のCa2+濃度を調節していることが明らかになりました。従来、細胞膜のCa2+ポンプにはCa2+流入で起こった情報伝達を終了させるために細胞外へCa2+を排出する役割があることしかわかっておらず、積極的にシグナルを生成していることが示されたのは初めてです。今後、誘引物質とCa2+ポンプの相互作用の種特異性や、Ca2+の詳細な調節機構を明らかとすることによって、卵に対する精子走化性の分子メカニズムの詳細とその進化の理解につながると同時に、細胞内 Ca2+を外部から制御するための新たな手法が開発されることが期待されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0495432_01.pdf

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