2019年8月18日(日)

プレスリリース

理研と九大、中性子過剰なスズ同位体の巨大共鳴観測に成功

2018/10/19 13:55
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発表日:2018年10月19日

中性子過剰なスズ同位体の巨大共鳴観測に成功

―パイ中間子凝縮から中性子星の構造解明に一歩近づく―

理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センタースピン・アイソスピン研究室笹野匡紀専任研究員、上坂友洋室長、九州大学理学府の安田淳平大学院生(研究当時)、理学研究院の若狭智嗣教授らの国際共同研究グループ(※)は、理研の重イオン[1]加速器施設「RI ビームファクトリー(RIBF)[2]」を用いて、二重魔法数[3]核「スズ-132(132Sn)」に対する「巨大共鳴状態[4]」の観測に世界で初めて成功しました。

本研究成果により、「パイ中間子[5]」が引き起こす「パイ中間子凝縮[6]」と呼ばれる相転移現象が起こる条件が明らかになり、中性子星[7]の構造や急速冷却現象の解明が進むと期待できます。

1973年に予言されたパイ中間子凝縮は、通常の原子核ではまだ観測されていませんが、中性子星では起きている可能性があると考えられています。今回、国際共同研究グループは、RIBFにおいて生成された132Sn ビームを液体水素標的に照射し、引き起こされた「荷電交換(p, n)反応[8]」を「WINDS 中性子検出器[9]」と「SAMURAI 磁気スペクトロメーター[10]」を用いて測定することで、パイ中間子凝縮の性質を反映する巨大共鳴状態(ガモフ・テラー巨大共鳴[4])の観測に成功しました。得られたスペクトルと理論計算の比較から、パイ中間子凝縮が通常の原子核密度[11]の2倍以上の環境、すなわち太陽質量の1.4倍より重い中性子星で起こっている可能性が高いという結論を得ました。

本研究は、米国の科学雑誌『Physical Review Letters』のオンライン版(9月26日付け)に掲載されました。

*図は添付の関連資料を参照

※国際共同研究グループ

○理化学研究所 仁科加速器科学研究センター スピン・アイソスピン研究室

 専任研究員 笹野 匡紀(ささの まさき)

 室長 上坂 友洋(うえさか ともひろ)

○九州大学 理学府 物理学専攻 粒子物理学講座

 大学院生(研究当時)安田 淳平(やすだ じゅんぺい)

○九州大学 理学研究院 物理学部門 粒子物理学講座

 教授 若狭 智嗣(わかさ ともつぐ)

○ミシガン州立大学

 教授 レムコ・ゼガーズ(Remco Zegers)

本研究は、SAMURAI 国際共同研究グループ(理化学研究所、九州大学、東京工業大学、東北大学、京都大学、東京大学 CNS、米国ミシガン州立大学などからなる国共同研究グループ)から60名の研究者が参加し行われました。

※研究支援

本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金新学術領域研究(研究領域提案型)「中性子過剰な中低密度核物質の物性(研究代表者:中村隆司)」、米国国立科学財団、ハンガリーNKFI財団などの助成を受けて行われました。

*以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0493599_01.jpg

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0493599_03.pdf

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