2019年5月20日(月)

プレスリリース

名大と東大、滑車状ポリロタキサンを架橋剤に利用して力学的に丈夫で光学的に透明なエラストマー調製に成功

2018/10/13 3:05
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発表日:2018年10月13日

重要なキーマテリアルの1つ

「透明で高い粘り強さを持つ材料」を簡単に調製することに成功!

名古屋大学大学院工学研究科の竹岡 敬和 准教授の研究グループは、東京大学大学院新領域創成科学研究科の劉 暢 大学院生、眞弓 皓一 特任講師、伊藤 耕三 教授らと共に、滑車状のポリロタキサン(注1)という分子を架橋剤(注2)に利用することで、力学的に丈夫で光学的に透明なエラストマー(注3)を調製することに成功しました。

エラストマーは、力が加わると大きく伸び、その力を除くと元の状態に戻るという架橋された高分子材料です。力学特性を改良した様々なエラストマーが、自動車や飛行機のタイヤ、スポーツ用品、高層ビルの防振材料など、我々の生活の様々な場面で役に立っています。

人の未来の生活を支えるために、今後の発展が期待される高度先進医療分野、フレキシブルディスプレイ(注4)、ソフトロボット(注5)の開発などにおいても、エラストマーは重要なキーマテリアルとしての役目を担うに違いありません。これらの先進技術を実現する上で、光学的に透明で優れた力学特性を示すエラストマーを開発することが、これからの重要な命題になると思われます。しかし、従来の架橋構造を持つエラストマーの伸張性と弾性率の増大は、二律背反関係のため、エラストマーの靱性(じんせい)(注6)を向上させることは容易ではありません。また、これまでの方法によるエラストマーの力学的強度の向上には、カーボンブラックやシリカ微粒子などのフィラー(注7)をエラストマー中に大量に混練する必要がありました。その結果、光学的な透明性も損なわれてしまうのです。

今回の研究では、滑車状のポリロタキサンを架橋剤として、ごく少量利用することで、アクリル系の高分子から成る無色透明で高靱性なエラストマーの開発に成功しました。

本研究は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の1つである「超薄膜化・強靱化「しなやかなタフポリマー」の実現」(伊藤耕三プログラム・マネージャー、 http://www.jst.go.jp/impact/shinayaka/index.html ))の一環として取り組んだ研究成果であり、将来的に安全・安心・低環境負荷という社会的ニーズに貢献する産業全般に広い波及効果をもたらすことが期待されます。

本研究成果は、2018年10月13日付け(日本時間午前3時)発行のAmerican Association for the Advancement of Scienceが発刊する『Science Advances』誌に掲載されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0492760_01.pdf

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