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東大、パーキンソン病の病因タンパク質「LRRK2」が関わる新規ストレス応答機構を発見

2018/9/11 4:00
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発表日:2018年9月11日

パーキンソン病 病因タンパク質LRRK2 の関わる新規ストレス応答機構の発見

1.発表者:

・江口 智也(東京大学大学院医学系研究科 博士課程4年生(研究当時))

・桑原 知樹(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 神経病理学分野 特任助教)

・櫻井 まりあ(東京大学医学部 研究生)

・岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 神経病理学分野 教授)

2.発表のポイント:

◆パーキンソン病の病因タンパク質「LRRK2」が、自らの持つ酵素活性による基質タンパク質「Rab」のリン酸化を介して、物質分解に関わる細胞小器官であるリソソームに対するストレスに応答し、リソソームの恒常性を維持する仕組みを明らかにしました。

◆LRRK2 とRab タンパク質の持つ新たな機能に加えて、リソソームの過積載が引き起こす新規の細胞ストレスに対する応答機構を世界で初めて明らかにしました。

◆LRRK2 の関わるリソソームストレス応答機構は、パーキンソン病の根本的治療法の新たな標的として有望と期待されます。

3.発表概要:

パーキンソン病は主に高齢者に発症し、運動の障害をきたす代表的な神経変性疾患ですが、αシヌクレインなどの病因タンパク質が特定の神経細胞に蓄積し、細胞死に至る原因は明らかになっていません。パーキンソン病の一部には遺伝性を示す例があり、代表的な病因遺伝子の1つとしてLRRK2(注1)が知られています。従ってLRRK2 の生体における機能を明らかにすることは、パーキンソン病の発症の仕組みを解明する鍵になると考えられます。今回、東京大学大学院医学系研究科の江口智也大学院生(研究当時)、桑原知樹特任助教、岩坪威教授、医学部の櫻井まりあ研究生らの研究グループは、LRRK2 が細胞内のタンパク質などの分解に関わる小器官であるリソソーム(注2)に対するストレスに応答して、その恒常性を維持する働きを持つことを発見しました。その仕組みとして、LRRK2 がストレスを受けて肥大化したリソソームの膜上に移行し、Rab(注3)と呼ばれるタンパク質群をリン酸化して膜上にとどめることにより、過積載状態になったリソソームの形態や機能を調節することを示しました。この発見は、リソソームがストレスに応答する新たな機構を提唱するものであると同時に、病因タンパク質の細胞内での分解障害や細胞外への放出などの、パーキンソン病の病態メカニズムの理解と治療法の開発にもつながるものと期待されます。

なお、本研究は順天堂大学医学部・神経生物学・形態学・小池正人教授、東北大学大学院生命科学研究科・膜輸送機構解析分野・福田光則教授、大阪大学大学院医学系研究科・細胞生物学・原田彰宏教授との共同研究で行われました。本研究成果は、米国科学アカデミー紀要 オンライン版に9 月10 日の週に掲載されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0489989_01.pdf

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