2018年11月17日(土)

プレスリリース

横浜国大、ダイヤ中でエラー耐性量子演算処理に成功

2018/8/14 17:05
保存
共有
印刷
その他

発表日:2018年8月13日

世界初、ダイヤ中でエラー耐性量子演算処理に成功

~室温万能量子コンピューターに道~

■ポイント

○量子コンピューターの実現には量子ビットの脆弱性の克服が課題であった。

○ダイヤモンド中の電子や核子のスピンを量子ビットとして用い、操作エラーや環境ノイズに耐性のある演算処理を実現した。

○室温かつ完全無磁場下でのスピン操作が可能となり、より汎用的な量子情報技術として発展が期待される。

JST戦略的創造研究推進事業において、横浜国立大学の小坂 英男 教授、同 大学院工学府 博士課程の長田 昂大 大学院生(前期2年)、倉見谷 航洋 大学院生(後期1年)は、ダイヤモンド中の窒素空孔中心(NV中心)(注1)にある電子や核子のスピン(注2)を量子ビット(注3)として用い、室温の完全無磁場下で、操作エラーや環境ノイズに耐性を持ち自在に多量子操作ができる万能な量子ゲート操作(注4)に世界で初めて成功しました。幾何学性を利用することにより、従来必要であったエラー訂正が不要で任意の精度の量子操作が可能となります。幾何学量子ビット(注5)と名付けたこの独自の量子ビットのホロノミック量子ゲート操作(注6)により、エラー耐性を持ち、より高速で高精度な演算が可能になります。

量子コンピューターや量子暗号通信の実現には量子ビットの脆弱性の克服が課題でしたが、ダイヤモンド中のNV中心に存在するスピン量子ビットは、操作の正確性や情報保持時間の観点で有望視されていました。本研究では、これまでの量子ビットとは異なり、エネルギー差がない2つのスピン状態を量子ビットとして用いた独自の量子ゲート操作技術を開発しました。

本成果は、室温で動作する万能量子コンピューターや量子シミュレーター、これらを量子暗号通信(注7)でネットワーク接続するために不可欠な量子中継(注8)や量子センシング、量子計測、IoTセキュリティーデバイスなど、あらゆる量子情報素子の実現へ道を拓くと期待されます。

本研究成果は、2018年8月13日(英国時間)に「Nature Communications」のオンライン版で公開されます。

本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。

戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)

 研究領域:「量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出」

      (研究総括:荒川 泰彦 東京大学 特任教授)

 研究課題:「ダイヤモンド量子セキュリティ」(課題番号 JPMJCR1773)

 研究代表者:小坂 英男(横浜国立大学 大学院工学研究院/先端科学高等研究院 教授)

 研究期間:平成29年10月~平成35年3月

本研究課題では、ダイヤモンド中の窒素空孔中心(NV中心)における光子と電子の自発的な量子もつれ発光・吸収を基礎とし、光子から核子への伝令付き量子テレポーテーション転写、電子と核子のエラー耐性のあるホロノミック量子ゲートなどの研究開発により、量子コンピューターや量子暗号通信とこれらを接続する量子中継の実用化に道を拓きます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0487768_01.pdf

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ速報トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報