2018年8月22日(水)

プレスリリース

阪大、炎症性腸疾患に対する新たな治療法を開発ー炎症反応を抑えるマイクロRNAを効率よく届ける

2018/8/10 17:25
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発表日:2018年8月10日

炎症性腸疾患に対する新たな治療法を開発

炎症反応を抑えるマイクロRNAを患部に効率よく届ける

 

■研究成果のポイント

 ・世界で初めてマイクロRNAの全身投与によって炎症性腸疾患(IBD)を罹患したマウスの治療に成功した。

 ・生体内での不安定性や細胞への導入効率の等の問題からマイクロRNAを炎症性腸疾患の治療薬として用いる試みは殆どなされてこなかった。研究チームは、これまでの研究で、固形癌に対する核酸デリバリーで高い効果を示してきたスーパーアパタイト法を用いて、炎症腸管の免疫応答担当細胞に効率的にマイクロRNAを送達することに成功し、腸炎マウスの予防・治療で有効性を示した。

 ・潰瘍性大腸炎などの難治性炎症性腸疾患の治療法として新しい道を開いたとともに、同様の手法を用いれば、免疫応答担当細胞が病態の根幹をなす免疫・アレルギー疾患や臓器線維症に対する新たな治療法の創出が期待できる。

■概要

 大阪大学大学院医学系研究科の山本浩文教授(消化器外科学/保健学科分子病理学)と水島恒和寄附講座教授(炎症性腸疾患治療学)らの研究グループは、炎症性サイトカイン(※1)を抑えることが知られているマイクロRNA(※2)(miR)-29a及びmiR-29bを、全身性の核酸デリバリーシステムであるスーパーアパタイト(※3)に搭載し、炎症性腸疾患(※4)(IBD)モデルマウスに全身投与したところ、腸炎の発症予防と治療効果について顕著な有効性が認められました。

 これまでマイクロRNAなどの核酸医薬が全身投与でその効果を発揮するためには、血中での不安定性や標的細胞への取り込み効率の問題など実用化には多くの障壁がありましたが、研究グループはスーパーアパタイト法を用いることで、治療的マイクロRNAを炎症腸管の樹状細胞(※5)へと送達し、それに引き続く炎症反応を分子レベルで修正する(図1)ことにより、マウス腸炎の予防・治療に成功しました。この治療法は血管内投与のみならず皮下注射による投与でも同様の効果を示したことから、炎症性腸疾患に対する新たな実用的な治療法の創出が期待できます。

 本研究成果は、米国科学誌「Molecular Therapy-Nucleic Acids」にて、7月15日に早期オンライン公開され、9月7日に出版されました。

 *図は添付の関連資料を参照

■図1 IBDにおけるマイクロRNAの作用

 スーパーアパタイトに搭載されたmiR-29は樹状細胞から分泌される炎症性サイトカイン(IL-6,TGF-β,IL-23など)の産生を抑制し、ナイーブT細胞(※6)のTh17細胞(※7)への分化を抑えることで炎症の進行を食い止める。

 *以下は添付リリースを参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0487700_01.png

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0487700_02.pdf

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