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東北大、がん細胞を効果的に傷害できる組換え抗体分子の開発に成功

発表日:2018年6月26日

腫瘍内浸潤リンパ球の誘導を狙うスマート抗体

~組換え型がん治療抗体開発の更なる加速に期待~

【発表のポイント】

・がん腫瘍に浸透しやすく高いがん細胞傷害性をもつ小型の抗体を創出

・小型でもがん細胞とリンパ球間の相互作用を高めることで、高いがん細胞傷害を高めることができる

【概要】

東北大学大学院工学研究科梅津 光央教授らの研究グループは、微生物で調製可能でありながら、がん細胞とリンパ球に結合できる部位を複数もつ竜の落とし子構造を設計することで、がん細胞を効果的に傷害できる組換え抗体分子の開発に成功しました。

研究グループは、この竜の落とし子構造を用いることでがん細胞に対して従来の約1000倍高い傷害を示すことができることを実証しました。この構造をも加速が期待されます。

この研究成果は、2018年6月5日付(ドイツ時間)で「Advanced Therapeutics(オンライン版)」に掲載されました。また、本研究は、科学研究費助成事業を受けて実施されました。

【研究背景】

免疫機構を司る抗体分子は、その高い親和性と特異性から、近年、国内外の製薬会社によってがんをはじめとした治療薬として開発されています。その中で、がん細胞と免疫に関与するT細胞を架橋できる二重特異性抗体は、従来の抗体とは異なる作用機序でがん細胞を傷害できることから次世代型の抗体医薬品として期待されています。

二重特異性抗体の開発において、腫瘍に対する浸透性が高く微生物で調製が可能な低分子型の抗体があります。しかし、この低分子型の抗体は、低分子であるがゆえに、がん細胞およびT細胞に結合できる部位が各々一つしか設計することができないものが多く、がん細胞とT細胞の間に強い相互作用を持たせることができない課題がありました。

【本研究の成果】

一般的な抗体では、抗原分子と結合ができる部位はヘテロな二量体になっています。研究グループは、この二量体をつなげたものが会合しやすいことと、ラクダがもつ抗体では抗原に結合する部位が単量体であることに着目することで、微生物で調製できる程度に低分子でありながら、がん細胞とT細胞に結合できる部位を各々二つもつBiBian(Bispecific and Bivalent antibody)と名付けた二重二価抗体を作製することに成功しました(Fig.1)。

この抗体は、竜の落とし子のような構造を形成することで、コンパクトでありながら細胞に結合できる部分を表面に露出しており、がん細胞に対して従来の低分子型抗体よりも約1000倍高い細胞傷害を示しました。そして、これまでの低分子型抗体ではがん細胞を傷害しにくかったがん細胞の塊(細胞塊)に対しても、効果的に細胞塊を縮小させ、マウス実験においても十分ながん腫瘍の増殖抑制も示しました(Fig.2)。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0483418_01.pdf

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