2018年8月20日(月)

プレスリリース

東大、細胞内ウイルスセンサータンパク質による新しい生体防御の仕組みを発見

2018/6/25 14:45
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発表日:2018年6月25日

細胞内ウイルスセンサータンパク質による新しい生体防御の仕組みを発見

 

1.発表者:高橋 朋子(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教)

  中野 悠子(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 博士課程3年)

  程 久美子(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 准教授)

2.発表のポイント:

 ◆これまで機能が不明であった細胞内ウイルスセンサータンパク質LGP2が、RNAサイレンシング(注1)の促進因子であるTRBPと相互作用することで、特定のマイクロRNA群の機能を一斉に制御することを明らかにした。

 ◆TRBPは特定のマイクロRNA群と結合していることを初めて明らかにした。それらのマイクロRNAは、特定の遺伝子群の発現を一斉に制御していた。

 ◆LGP2とTRBPによるRNAサイレンシングを介した遺伝子機能の制御は、ウイルス感染細胞において生体防御機構として機能していると考えられ、抗ウイルス治療や核酸医薬開発への応用が期待される。

3.発表概要:

 ウイルスが細胞に感染すると、細胞内ウイルスセンサータンパク質によって検知され、からだを守るための仕組みである免疫応答が誘導されます。東京大学理学系研究科の高橋朋子助教、中野悠子(博士課程3年)、程久美子准教授らの研究グループは、これまで細胞内ウイルスセンサーのひとつであるとされながらも機能が不明であった「LGP2」というタンパク質が、遺伝子発現の制御機構であるRNAサイレンシングを促進する「TRBP」というタンパク質と相互作用することで、TRBPが結合する特定のマイクロRNA群の機能を制御することを明らかにしました。さらに、これらのマイクロRNAは、特定の遺伝子群の機能を一斉に制御していました。LGP2とTRBPによるRNAサイレンシングを介した遺伝子機能の制御は、ウイルス感染細胞において生体防御機構として機能していると考えられ、抗ウイルス治療や核酸医薬開発への応用が期待されます。

4.発表内容:

 細菌やウイルスが感染すると、生体は免疫応答という防御機構を引き起こします。免疫応答には、自然免疫応答と獲得免疫応答がありますが、自然免疫は免疫応答の初動で重要な役割を果たす即時対応型のシステムであり、サイトカイン(注2)の誘導を伴います。ヒトの細胞にウイルスが感染すると、細胞外または細胞内でそれぞれのウイルスセンサータンパク質(注3)がウイルス特有の構成成分を認識し、抗ウイルス性サイトカインの一種であるI型インターフェロン(IFN)の発現を誘導します(図1左)。IFNは数百のIFN誘導遺伝子群(IFN-stimulated gene, ISG)と呼ばれるタンパク質の発現を誘導し、細胞を抗ウイルス状態にすることで、ウイルスから生体を防御します。細胞内ウイルスセンサータンパク質の中でLGP2は、その他のウイルスセンサータンパク質が持つIFNの誘導に必要なシグナル伝達に関わるタンパク質領域を持たないことから、これまで機能が不明でした。

 ※以下は添付リリースを参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0483308_01.pdf

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