2018年6月25日(月)

プレスリリース

理研、「前頭側頭葉変性症」における精神障害の発現機構を分子レベルで解明

2018/6/14 17:10
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発表日:2018年6月14日

タンパク質の共凝集化による精神障害の発現

-TDP-43/DISC1の共凝集化による局所翻訳異常-

 

 理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター タンパク質構造疾患研究チームの遠藤良研究員と田中元雅チームリーダーらの国際共同研究グループ(※)は、神経変性疾患[1]の一つ「前頭側頭葉変性症(FTLD)」における精神障害の発現機構を分子レベルで解明しました。疾患の原因タンパク質が相互作用する他のタンパク質を一緒に凝集(共凝集)させることで、神経細胞の樹状突起内で起こる局所翻訳[2]に障害が生じ、これが起因となって精神障害が発現することが分かりました。

 本研究成果は、神経変性疾患の多くで併発する精神障害の発症機構の解明に加えて、不安障害やうつ病などの精神疾患の発症機構の解明につながる可能性があります。さらに、タンパク質凝集体[3]や神経細胞での翻訳因子を標的とした、新たなバイオマーカーや治療法の開発にもつながると期待できます。

 FTLDの患者には逸脱した社会行動などの精神障害がみられることから、神経変性疾患と精神障害には共通する発症機構が存在すると考えられていましたが、分子レベルでは、そのメカニズムはよく分かっていませんでした。今回国際共同研究グループは、培養神経細胞とマウスを用いて、さまざまな精神障害に関わるタンパク質DISC1が、神経細胞の樹状突起で起こる局所的な翻訳を制御することを発見しました。また、DISC1がFTLDの原因タンパク質TDP-43[4]と共凝集することで、その局所翻訳機能が低下し、精神障害が発現することも発見しました。

 本研究は、米国の科学雑誌『Biological Psychiatry』(5月8日)に掲載されました。

 ※国際共同研究グループ

 ・理化学研究所 脳神経科学研究センター タンパク質構造疾患研究チーム

  研究員 遠藤 良(えんどう りょう)

  チームリーダー 田中 元雅(たなか もとまさ)

 ・埼玉医科大学国際医療センター

  教授 高尾 昌樹(たかお まさき)

 ・名古屋市立大学大学院 医学研究科

  教授 赤津 裕康(あかつ ひろやす)

 ・東京都健康長寿医療センター

  研究部長 村山 繁雄(むらやま しげお)

 ・ジョンズ・ホプキンス大学統合失調症センター

  ディレクター・教授 澤 明(さわ あきら)

 ※研究支援

  本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金 新学術領域「新生鎖の生物学(領域代表:田口英樹)」、東京都健康長寿医療センターおよび福祉村病院 高齢者ブレインバンクなどの支援を受けて行われました。

 *以下は添付リリースを参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0482553_01.pdf

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