2018年6月25日(月)

プレスリリース

阪大、ミジンコで性決定遺伝子の非翻訳領域のみをもつRNAがオス化を引き起こすことを発見

2018/5/25 12:20
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発表日:2018年5月25日

RNAが操るミジンコの性決定

性決定遺伝子のスイッチをオンにする長鎖ノンコーディングRNAの発見

 

■研究成果のポイント

 ・ミジンコにおいて、性決定遺伝子の非翻訳領域(※1)のみをもつRNAがオス化を引き起こすことを発見

 ・性決定遺伝子の非翻訳領域は長鎖ノンコーディングRNA(※2)にも含まれ、性決定遺伝子のスイッチをオンにするために必要であることを発見

 ・長鎖ノンコーディングRNAが働く仕組み、性が決まる仕組みの多様性、進化の理解に貢献

■概要

 大阪大学大学院工学研究科生命環境システム工学研究室の渡邉肇教授、加藤泰彦助教らの研究グループは、ミジンコのオスの性決定に必要なダブルセックス1(Dsx1)遺伝子のスイッチをオンにする長鎖ノンコーディングRNAを発見しました。

 これまで同グループは、Dsx1遺伝子の翻訳領域から作られるタンパク質が、ミジンコのオス化を誘導することを見つけていました(図1上段)。

 一連の研究から、本研究グループはDsx1遺伝子の非翻訳領域のみをもちDsx1タンパク質を作ることのできないRNA(非翻訳領域RNA)によってもオス化が生じるという興味深い現象を発見しました(図1中段、図2)。そして、研究の結果、この非翻訳領域はDsx1遺伝子の上流から転写される長鎖ノンコーディングRNA、ダパールの一部に含まれ、Dsx1遺伝子のスイッチをオンにする働きをもち、これによりDsx1タンパク質が作られてオス化が生じることを突き止めました(図1下段、図3)。本研究成果は、新たな長鎖ノンコーディングRNAの作用メカニズムの解明につながることが期待されます。また、性決定の仕組みの多様性、進化の理解にも貢献できます。

 本研究成果は、米国科学誌「Current Biology」に、5月25日(金)午前1時(日本時間)に公開されました。

 *図1は添付の関連資料を参照

■研究の背景

 1958年にフランシス・クリックにより提唱されたセントラルドグマで中心的な役割を果たすRNA、メッセンジャーRNA(mRNA)はタンパク質に翻訳される領域(翻訳領域)を持っています。近年、翻訳領域を持たないいわゆるノンコーディングRNAがゲノムの至る所から転写されていることがわかってきました。この中で、200塩基以上のノンコーディングRNAは長鎖ノンコーディングRNAと呼ばれ、ヒトにおいてはその数は2万を超えるとも言われています。しかしながら、ヒトやマウスにおいてでさえも機能解析が行われた長鎖ノンコーディングRNAは未だ多くなく、長鎖ノンコーディングRNAが働く仕組みの共通性、多様性、さらには生物種間での機能の保存性は未だほとんど明らかにされていません。このため、生命科学分野での研究のホットトピックスとなっています。

 *以下は添付リリースを参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

図1

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0480705_01.JPG

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0480705_04.pdf

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