2018年11月19日(月)

プレスリリース

徳島大と電通大など、高速に画像取得が可能な光コム顕微鏡を開発-微小半導体部品の品質検査などに応用

2018/5/17 10:20
保存
共有
印刷
その他

発表日:2018年5月16日

高速に画像取得が可能な光コム顕微鏡を開発

~透明・非蛍光性な細胞のライブ観察やナノメートル凹凸を持つ微小半導体部品の品質検査への応用に期待~

■ポイント

○共焦点顕微鏡の画像コントラストは、光強度に基づいているため、透明・非蛍光性の細胞サンプルやナノメートル凹凸の半導体サンプルへの適用が制限されていた。

○共焦点顕微鏡は点計測に基づくため、画像取得には焦点位置の機械的走査(スキャン)が必要になり、高速な画像取得が困難であった。

○光コムと波長・空間変換を用いることにより、光位相と光振幅に基づいた共焦点顕微鏡画像を機械的走査無く(スキャンレスで)高速に一括取得可能な手法を開発した。

○3次元培養細胞の時系列モニタリングや微小半導体部品のナノメートル欠陥検出への応用が期待される。

JST 戦略的創造研究推進事業において、徳島大学 大学院社会産業理工学研究部の長谷 栄治 客員准教授、南川 丈夫 准教授、安井 武史 教授らと、宇都宮大学 オプティクス教育研究センターの山本 裕紹 准教授、電気通信大学 大学院情報理工学研究科の美濃島 薫 教授らの共同研究グループは、光位相と光振幅に基づいた共焦点顕微鏡画像をリアルタイムで計測する技術の開発に成功しました。

共焦点顕微鏡注1)は、共焦点効果による深さ分解能と迷光除去能力を持ち、3次元イメージングが可能であることから、バイオイメージングや非接触表面形状測定の分野で広く用いられています。しかし、光強度信号に基づいて画像化しているため、測定対象は反射性、散乱性、吸収性、または蛍光性である必要があり、透明で非蛍光性のサンプルへの適用が困難でした。また、深さ分解能の制限から、ナノメートル凹凸があるサンプルの表面形状測定も困難でした。さらに、共焦点顕微鏡は点計測に基づいているため、画像取得には焦点位置の機械的走査(スキャン)が必要となり、高速な画像取得が制限されていました。

上記の課題を解決するため、本研究グループは、光コム注2)を光源に用いた光学顕微鏡を開発しました。光コムは、「光周波数の物差し」として光周波数計測や分光計測の分野で革命的進展をもたらしましたが(2005年ノーベル物理学賞)、本研究では、光コムの異なる特徴である「超離散マルチ光チャンネル性」に着目し、波長・空間変換注3)とデュアルコム分光法注4)を適用することにより、光位相と光振幅の共焦点顕微画像を機械的走査無く(スキャンレスで)高速に一括取得できる手法を開発・実証しました。本手法は、透明・非蛍光性の3次元培養細胞やマイクロ光学部品の品質評価、あるいは微小半導体部品のナノメートル欠陥検出への応用が期待されます。

本研究は、JST 戦略的創造研究推進事業(グラント番号:JPMJER1304 詳細は以下参照)の他、文部科学省 科学研究費補助金 基盤研究(A)(課題番号:15H02026)により一部支援を受けて行われました。

本研究成果は、2018年5月16日(米国東部時間)にアメリカ光学会(The Optical Society)の電子ジャーナル「Optica」で公開されます。

本成果は、以下の事業・研究プロジェクトによって得られました。

科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)

研究プロジェクト:「美濃島知的光シンセサイザプロジェクト」

研究総括:美濃島 薫(電気通信大学 情報理工学研究科 教授)

研究期間:平成25年10月~平成31年3月

本プロジェクトは、光波の時間、空間、周波数、位相、強度、偏光など全てのパラメーターを自在に操作でき、さまざまな応用に使えるところまで進化した知的光源を開発し、その未踏な応用分野を開拓することを目標としています。

<研究の背景と経緯>

共焦点顕微鏡は、1マイクロメートル(1,000分の1ミリメートル)前後の空間分解能で3次元イメージングが可能であることから、バイオイメージングや非接触表面形状測定の分野で広く用いられています。従来の共焦点顕微鏡では、光強度に基づいて画像化するため、測定対象は反射性、散乱性、吸収性、または蛍光性である必要がありました。しかし、バイオ分野における代表的測定対象である細胞は一般に透明・非蛍光性であることから、そのままでは可視化できず、蛍光ラベリングを行わなければなりません。また、微細化が進む半導体部品の品質評価では、ナノメートル(100万分の1ミリメートル)オーダーの表面欠陥検出が必要とされていますが、共焦点顕微鏡の深さ分解能は1マイクロメートル前後であるため、品質評価に利用することができませんでした。もし光強度の代わりに光位相で画像化できれば、屈折率、光学厚さ、幾何形状の情報を高精度に取得できるので、透明・非蛍光性サンプルやナノメートル凹凸サンプルの計測が可能になります。これまでにも、点計測に基づいた光位相の共焦点顕微画像の取得は可能でしたが、焦点位置のスキャンに時間を要するため、画像を高速取得することは困難でした。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0479911_01.pdf

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ速報トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報