2018年10月19日(金)

プレスリリース

京大、細胞内の狙った天然タンパク質を迅速に化学修飾する分子技術を開発

2018/5/16 16:45
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発表日:2018年5月16日

細胞内の狙った天然タンパク質を迅速に化学修飾する分子技術を開発

―不可逆阻害剤開発のための新しい戦略―

■概要

京都大学大学院工学研究科の浜地 格 教授、田村 朋則 助教らは、生きた細胞内の狙った天然タンパク質を高速かつ高選択的に化学修飾可能な新たな手法を開発しました。

緑色蛍光タンパク質の応用でも明らかになったように、タンパク質を色々な分子で修飾することは、生命現象を解明するための強力な方法となります。しかし、ゲノム編集技術の発達した遺伝子工学とは対照的に、種々雑多な生体分子が高濃度に存在する細胞内で、狙ったタンパク質だけを選択的に修飾することは現在の化学技術をもってしても極めて困難です。本研究グループはこの課題に対して、「リガンド指向性化学」と呼ばれる独自の戦略を開発し、細胞内タンパク質の選択的な化学修飾を実現してきました。しかしこれまでのリガンド指向性化学は修飾反応に数時間から数日の時間を要するため使い勝手が悪く、応用が限定されてしまうという大きな問題がありました。

※参考画像は添付の関連資料を参照

このような背景のもと、本研究グループは新たに、酵素反応に匹敵するくらい高速の化学修飾が可能な「リガンド指向性 N-アシル-N-アルキルスルホンアミド(NASA)化学」を開発しました。詳細な解析の結果、この NASA 化学は、従来法より数十倍から数千倍以上速く反応が進行し、タンパク質表面のリジン残基を選択的に修飾できることがわかりました。さらに本手法は、標的タンパク質の活性のコントロールにも応用可能でした。具体的には、ガンの創薬ターゲットである熱ショックタンパク質 90(Hsp90)の不可逆阻害剤の開発に、NASA 化学によって世界で初めて成功しました。NASA 化学は分子設計次第で他の様々な種類のタンパク質へと適用可能であり、今後、不可逆阻害剤開発のための一般性の高い戦略として創薬研究を加速することが期待されます。

本研究成果は、2018 年5月 14 日に国際学術誌「Nature Communications」でオンライン公開されました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

参考画像

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0479888_01.jpg

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0479888_02.pdf

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