2019年3月26日(火)

プレスリリース

東海大・阪大・東北大・福岡大、インスリンの簡便な化学合成法を開発

2018/5/7 15:05
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発表日:2018年5月7日

東海大学、大阪大学、東北大学、福岡大学の共同研究グループ

インスリンの簡便な化学合成法を開発

~糖尿病患者が増加する中、新しいインスリン製剤技術としての応用に期待~

東海大学(所在地:神奈川県平塚市北金目4-1-1、学長:山田 清志〔やまだ きよし〕)理学部化学科講師の荒井堅太および同学科教授の岩岡道夫、ならびに大阪大学(所在地:大阪府吹田市山田丘1-1、総長:西尾 章治郎〔にしお しょうじろう〕)蛋白質研究所教授の北條裕信、東北大学(所在地:宮城県仙台市青葉区片平2-1-1、総長:大野 英男〔おおの ひでお〕)多元物質科学研究所教授の稲葉謙次および同大学学際科学フロンティア研究所助教の奥村正樹、福岡大学(所在地:福岡県福岡市城南区七隈8-19-1、学長:山口 政俊〔やまぐち まさとし〕)理学部化学科の安東勢津子(開発当時:講師、現在:非常勤講師)らの研究グループは、インスリンを構成する2本の異なるポリペプチド鎖(A鎖およびB鎖)が水溶液中で自己組織化してインスリンの構造を獲得するメカニズムの全容を解明しました。さらに、その知見をもとにA鎖およびB鎖を水溶液中で混合するだけで、目的のインスリンを得る簡便なインスリン合成法も開発。化学合成技術を基盤とした新しいインスリン製剤技術としての応用が期待されます。

なお、本研究成果は、5月3日(木)付でイギリスの国際化学誌「Communications Chemistry」電子版に掲載されました。

https://www.nature.com/articles/s42004-018-0024-0

DOI: 10.1038/s42004-018-0024-0

■本研究成果のポイント

◇化学修飾などを施していないインスリンの構成ポリペプチド鎖(A鎖とB鎖)が自己組織化してインスリン分子の構造になるメカニズムの全容を解明した。

◇メカニズムをもとに、自己組織化の条件を最適化したところ、インスリンが約40%の収率で得られた。

◇複雑な実験技法を必要とせず、A鎖とB鎖を1:1で混ぜるだけで目的のインスリンが得られる。

◇遺伝子工学的な手法を一切用いないために大掛かりな製造設備を必要としない。

【研究成果の概要】

本研究グループは、インスリンの簡便な化学合成法の開発に成功しました。血糖値降下作用をもつ「インスリン」は糖尿病患者が使用する静脈注射製剤として広く知られています。しかし、インスリンは2本の異なるポリペプチド鎖(A鎖とB鎖)が2対のジスルフィド結合とよばれる化学結合でリンクした特徴的な分子構造をもっており、その化学合成は容易ではありません。インスリンの化学合成では、世界中の研究グループが様々な手法を試みてきましたが、手法の煩雑さなどの理由からインスリン製剤の製造応用へ展開された例はありません。今回の研究成果で、本研究グループは化学修飾などを施していない天然のA鎖とB鎖が溶液中で自己組織化し、インスリンの構造になるメカニズムの全容を明らかにしました。そのメカニズムに基づいて反応条件を最適化したところ、インスリンを約40%の収率で得ることに成功しました。

今回の合成法の利点は、遺伝子工学的な手法を一切用いないため、大掛かりな製造設備を必要としない点やA鎖とB鎖を混ぜ合わせるというごく単純な操作で目的のインスリンが得られる点です。

本研究成果は、東海大学理学部化学科、大阪大学蛋白質研究所、東北大学多元物質科学研究所および同大学学際科学フロンティア研究所、福岡大学理学部化学科が共同で実施した研究の成果です。また、研究を実施するにあたり、文部科学省科学研究費助成事業(東海大学)、公益財団法人武田科学振興財団(東北大学)、公益財団法人上原記念生命科学財団(東北大学)、国立研究開発法人科学技術振興機構 CREST(東北大学)、物質・デバイス領域共同研究拠点(東北大学)から資金援助をいただいております。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0478851_01.pdf

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