2019年4月23日(火)

プレスリリース

早大と東大など、南鳥島レアアース泥の資源分布可視化と効率的選鉱手法確立に成功

2018/4/10 18:05
保存
共有
印刷
その他

発表日:2018年4月10日

南鳥島レアアース泥の資源分布の可視化と高効率な選鉱手法の確立に成功

■発表のポイント

・日本の南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内に存在するレアアース泥の資源分布を可視化して資源量を把握し、世界需要の数百年分に相当する莫大なレアアース資源が存在することを明らかにしました。

・粒径分離によってレアアース濃集鉱物を選択的に回収する技術の確立に成功しました。この技術により、中国陸上レアアース鉱床の20倍程度まで品位を向上させることが可能となりました。将来的には、濃集鉱物のみを回収することで50倍以上の品位にすることを目指します。

・本研究の成果により、再生可能エネルギー技術やエレクトロニクス、医療技術分野など最先端産業に必須となるレアアース資源開発の経済性が大幅に向上することが期待されます。

早稲田大学理工学術院 高谷雄太郎(たかやゆうたろう)講師、東京大学工学系研究科 加藤泰浩(かとうやすひろ)教授らの研究チームは、千葉工業大学、国立研究開発法人海洋研究開発機構、東亜建設工業株式会社、太平洋セメント株式会社、東京工業大学、神戸大学と共同で、南鳥島周辺海域レアアース泥の資源分布の可視化とそれに基づく資源量の把握を行い、世界需要の数百年分に相当する莫大なレアアース資源が存在することを明らかにしました。さらに、レアアース濃集鉱物を選択的に回収する技術の確立に成功しました。

レアアース元素(注1)は「産業のビタミン」とも呼ばれ、再生可能エネルギー技術やエレクトロニクス、医療技術分野など、日本が技術的優位性を有する最先端産業に必須の金属材料です。一方、レアアースの世界生産は依然として中国の寡占状態にあり、その供給構造の脆弱性が問題となっています。新興国を中心に今後もレアアースの需要が伸び続けることが予測される中、レアアース資源の安定的な確保は不可欠で、日本の排他的経済水域内(EEZ)におけるレアアース泥(注2)の分布およびレアアース資源量の正確な把握が望まれていました。

本研究チームは、南鳥島EEZ南部海域に存在する有望エリアのレアアース資源分布を初めて可視化することに成功しました。特に、北西に位置する一角に極めてレアアース濃度の高い海域が存在することを確認し、このエリア(約105km2)だけでも、レアアース資源量は約120万トン(酸化物換算)に達し、最先端産業の中で特に重要なジスプロシウム、テルビウム、ユウロピウム、イットリウムは現在の世界消費の57年分、32年分、47年分、62年分に相当することが分かりました。また、有望エリアの全海域(約2,500km2)を合算すると、その資源量は1,600万トンを超え、当該エリアが莫大なレアアース資源ポテンシャルを持つことが明らかになりました。さらに、本研究チームは、レアアースの大半が含まれる生物源のリン酸カルシウム(注3)が、レアアース泥中の他の構成鉱物に対して大きな粒径を持つことに着目し、粒径分離によってレアアース泥中の総レアアース濃度を最大で2.6倍にまで高めることに成功しました。粒径分離によって泥の重量が大幅に減少するため、海上への揚泥や製錬のコストの削減も期待されます。

本研究で提示したように、レアアース泥の粒径選鉱を行うことによってレアアース泥開発の経済性を大幅に向上させることが可能になります。さらに、日本のEEZに莫大なレアアース泥が確認されたことは、我が国の資源戦略に対しても極めて大きなインパクトを与えます。本研究成果をもとに将来的に南鳥島レアアース泥の開発が実現すれば,日本のみならず世界においても海底鉱物資源の開発が進展するとともに、レアアースを活用した多様な最先端産業の発展・創出といった波及効果が期待されます。

本研究成果は英国Nature Publish Groupのオンライン科学誌『Scientific Reports』に4月10日10時(現地時間)に掲載される予定です。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0476883_01.pdf

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ速報トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報