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東北大・理研、気管支喘息の原因となる自然リンパ球の活性化を引き起こす新しいメカニズムを発見

2018/3/23 12:15
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発表日:2018年3月23日

気管支喘息発症の新しいメカニズムを発見

‐GITR タンパク質を標的とした新たなアレルギー治療戦略‐

【発表のポイント】

・気管支喘息(アレルギー性喘息)注 1 が起こる新たなメカニズムを発見した。

・GITR タンパク質注 2 が自然リンパ球注 3 の活性化を介して気管支喘息を引き起こすことを解明した。

・GITR タンパク質を阻害する物質がアレルギー疾患の新しい治療薬となる可能性がある。

【研究概要】

東北大学大学院医学系研究科免疫学分野の石井 直人(いしい なおと)教授らのグループは、理化学研究所の茂呂 和世(もろ かずよ)博士のグループと共同で、気管支喘息の原因となる自然リンパ球の活性化を引き起こす新しいメカニズムを明らかにしました。本研究では、GITR と呼ばれるタンパク質が自然リンパ球の活性化に必須であること、さらに、GITR タンパク質が関与する自然リンパ球の活性化が気管支喘息の原因となることを発見しました(図 1)。

また、GITR タンパク質を阻害する物質を開発し、喘息マウスに投与したところ、気管支喘息を完全に抑えることができました(図 2)。従来、GITR タンパク質は、免疫細胞のうち T 細胞のみで働いていると考えられていましたが、本研究によって気管支喘息発症の新しいメカニズムが明らかになりました。本研究成果によって、気管支喘息を含むアレルギー疾患に対して、GITR タンパク質を標的とした新しい治療法の開発が期待されます。

本研究成果は、2018 年 2 月 7 日に米国アレルギー学会雑誌 Journal of Allergy and Clinical Immunology 誌(電子版)に掲載されました。本研究は、日本学術振興会研究費補助金、山口育英奨学会学術研究助成、第一三共生命科学研究振興財団研究助成の支援を受けて行われました。

【研究内容】

近年、免疫反応を人為的に制御することでアレルギーやがんを治そうとする治療法が開発され、注目を集めています。免疫細胞の一つである T 細胞は、他の免疫細胞の活性化やアレルギー反応の制御、がん細胞の除去に関与することから、治療法開発の標的とされてきました。本研究では、T 細胞の活性化を制御する分子として知られていた GITR と呼ばれるタンパク質が、T 細胞とは別のグループに属する免疫細胞である 2 型自然リンパ球に存在すること、さらに、その GITR タンパク質が 2 型自然リンパ球の活性化に必須であることを発見しました。2 型自然リンパ球は、気管支喘息などのアレルギーが起きるときに最初に活性化する免疫細胞であり、2 型自然リンパ球が活性化しないとアレルギーが起こらないことが知られています。そこで、GITR タンパク質を欠損したマウスで気管支喘息(アレルギー性喘息)を薬剤によって誘発したところ、2型自然リンパ球が活性化できないために喘息は生じませんでした。さらに、GITR を阻害する物質を開発し、マウスに投与したところ、薬剤による気管支喘息が誘発されませんでした。

今回の発見によって、気管支喘息が起こる新しい仕組みが明らかになりました。2 型自然リンパ球に存在する GITR タンパク質などの免疫受容体を阻害する物質は、新しいアレルギー治療薬として期待されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0475139_01.pdf

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