2018年6月21日(木)

プレスリリース

東大、細胞の浸透圧ストレス応答の変換器を発見-高血圧疾患の新薬開発やがんの治療戦略開発などで成果期待

2018/3/14 1:00
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発表日:2018年3月14日

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―細胞の浸透圧ストレス応答における変換器を発見―

 

1.発表者:

 渡邊 謙吾(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 特任助教)

 名黒 功(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 准教授)

 一條 秀憲(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 教授)

2.発表のポイント:

 ◆PP6とASK3というタンパク質が協調して変換器の役割を担うことで、細胞は浸透圧ストレスによって強制的に変化した細胞体積を元に戻すことを明らかにしました。

 ◆本研究は、浸透圧ストレスの強度だけでなく方向性も認識できるメカニズムを明らかにしており、単なる現象ではなく、根本的な細胞内システムを発見しました。

 ◆本研究成果は、以前の報告で期待された高血圧疾患や浮腫などに対する新規治療薬だけでなく、炎症やがんなどに対する新規治療戦略の開発にも発展することが期待されます。

3.発表概要:

 細胞は、内外の浸透圧(注1)差によって強制的に体積を変化させられるストレス(注2)(=浸透圧ストレス)に常に曝されており、適切に対応することで体積を一定に保っています。この研究分野の歴史は長いにも関わらず、細胞がいかに浸透圧ストレスを認識し、体積制御メカニズムを誘導しているのかについては不明な点が多く残されていました。

 東京大学大学院薬学系研究科の渡邊謙吾特任助教らの研究グループは、以前より行ってきたASK3というタンパク質の研究を進展させ、ASK3が低浸透圧ストレスと高浸透圧ストレスのいずれの状況においても細胞体積の回復を制御していることを実証しました。さらに、ヒトの全遺伝子を対象とした網羅的な探索によってPP6というタンパク質の同定に成功し、PP6とASK3が協調して1つの変換器のように働くことで、細胞は浸透圧ストレスの強度だけでなく方向性も認識していることを発見しました(図1)。

 本研究成果によって、以前の報告で期待された高血圧疾患や浮腫などに対する新規治療薬の開発に向けて一歩前進しました。さらに本研究成果によって明らかになったPP6とASK3を積極的に操作することで、炎症やがんなどに対する新規治療戦略の開発にも発展することが期待されます。

 本成果は、2018年3月13日(米国時間)に、米国の科学雑誌「Cell Reports」のオンライン版に公開されます。なお本研究は、日本学術振興会の科学研究費助成事業や日本医療研究開発機構の基盤研究事業などの助成を受けて行われました。

 ※以下は添付リリースを参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0473927_02.pdf

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