2019年1月17日(木)

プレスリリース

東大、小型MEMS軟らかさセンサーの開発に成功

2018/1/23 14:35
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発表日:2018年1月23日

小型MEMS軟らかさセンサの開発に成功

1.発表者:

下山 勲(東京大学 IRT研究機構(注1)機構長/

東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 教授)

高畑 智之(東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 講師)

グェン タンヴィン(東京大学 IRT研究機構 特任研究員)

谷井 嶺太(東京大学 大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 修士課程 1年)

2.発表のポイント:

◆さわるだけで物体の軟らかさを計測できる小型センサの開発に成功しました。

◆本センサには、ひとつのチップ上にばね定数が異なるひずみ検知部があり、センサを物体に押し付けると、これらのひずみ検知部の出力の比率から物体の軟らかさを計測することができます。

◆本センサは小型で、計測原理が単純なので、軟らかいものでも小さな力でダメージなく把持するロボットや、触感によって患部を特定する医療用ロボットなどへの応用が期待されます。人間の触覚の同等またはそれを超える能力を持つロボットの実現につながります。

3.発表概要:

東京大学大学院情報理工学系研究科の下山勲教授らは、押し込み量(変位)と反発力(押し付け力)を計測しなくても物体の軟らかさを計測できる新しい軟らかさセンサの開発に成功しました。

従来は、例えば豆腐やゆで卵やパンなどの軟らかさや人間の肌のハリを測ろうとした時、対象物に押し付けた計測器先端の押し込み量(変位)とそれに働く反発力(押しつけ力)を同時に計測して求めていましたが、変位と力が同時に計測できる構造を小さなチップ上に作ることができず、ロボットハンドの指先につける小型の軟らかさセンサも存在していませんでした。

今回開発したセンサには異なるばね定数の複数のピエゾ抵抗型(注2)ひずみ検知部がひとつのチップ上に配置されており、センサを物体に押し付けると、これらのひずみ検知部の出力の比率から物体の軟らかさを計測することができます。

本センサによって、物体にさわるだけで物体の軟らかさを正確に計測できるようになりました。従来の軟らかさの計測手法と比べて計測原理が単純であり、小型化に適しているというメリットがあります。このため、ロボットハンドの指先に搭載することで、つかむと変形するものを適切な力で把持してハンドリングできるようになります。また、手術ロボットの鉗子の先端に搭載することで、手術中に軟らかさを広く計測し患部の特定や組織の軟らかさの分布を計測できるようになると期待されます。

本研究成果は、2018年1月21日(日)から25日(木)にかけてイギリスのベルファストにて開催される国際学会MEMS2018(The 31st IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)にて、発表されます。

4.発表内容:

物体の軟らかさの計測は、ロボットハンドによる物体の把持や手術ロボットにおける患部の特定などで重要な情報となります。従来の方法では、物体に押し付けたときの変位量と力とを同時に計測する必要がありました。しかしそれが可能な構造をチップ上に作ることが出来なかったため装置を小型化できず、ロボットハンドへの搭載が困難でした。

本研究では、一つのMEMS(注3)センサチップ上で物体の軟らかさに対して異なる触覚の感度を持ったセンサ素子を利用して物体の軟らかさを計測できる小型センサを実現しました。試作したセンサ(3mm×3mm×1mm)では、50kPaから6MPaまでの弾性率(注4)を計測できることを実験で確認しました。

今回開発したセンサは、センサチップの中央と両端に配置される3つのピエゾ抵抗型片持ち梁と、これらを覆う樹脂で構成されます(図1(a))。物体の軟らかさの計測原理を図1(b)に示します。物体が軟らかいほど中央の片持ち梁に比べて左右の片持ち梁が大きく変形するため、両端の片持ち梁と中央片持ち梁の抵抗変化率の比から押し付ける力によらず物体の軟らかさを正確に求めることが可能です。計測原理が単純なため小型化に適しており、ロボットハンドへの応用が期待されます。

5.発表学会:

学会名:MEMS2018

発表テーマ:"Elasticity sensor using different tactile properties on one chip"

発表者:Ryota Tanii, Thanh-Vinh Nguyen, Tomoyuki Takahata, Isao Shimoyama

URL:http://www.mems2018.org/

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0469203_01.pdf

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