NEDOとダブル技研など、単純制御でさまざまな物をつかむロボットハンドの「からくり」を開発
発表日:2018年1月11日

単純制御でさまざまな物をつかむロボットハンドの「からくり」を開発
―人間の手や指の微妙な構造を工学的に模倣した新構造―
NEDOとダブル技研(株)、都立産業技術高専は、極めて単純な制御だけでさまざまな形状の物を安定的にかつ優しくつかむことができるロボットハンドの「からくり」の開発に成功しました。
人間の手や指の微妙な構造を工学的に模倣したからくりのような新構造によって、センサーやモーターといった電子部品やプログラム制御の複雑さを最小限にすることが可能なため、ロボットハンドの軽量化、耐久性向上、故障や事故の低減、省電力化が期待できます。
新構造を応用した3種類のロボットハンド「F-hand」、「New D-hand」、「オリガミハンド」はそれぞれ、農作業や物流、製造業、さらには医療・食品などの衛生分野、将来は宇宙や深海といった極限環境でロボットハンドを活用することなど、さまざまな用途展開が期待できます。
ダブル技研(株)は、今回開発した3種類のロボットハンドについて、1月17日から19日まで東京ビッグサイトで開催される「第2回ロボデックス」に出展します。
※図1は添付の関連資料を参照
開発した3種類のロボットハンドの動画はこちらを参照
https://www.youtube.com/playlist?list=PLZH3AKTCrVsWA234Kt3DtwFzver_Whhpp
1.概要
NEDOは、政府の「ロボット新戦略(2014年度策定)」を受け、「次世代人工知能・ロボット中核技術開発(2015年度~2019年度)」を推進しています。このプロジェクトは、現在の人工知能・ロボット関連技術の延長上にとどまらない、人間の能力を超えることを狙った革新的な要素技術をターゲットとし、これまで人工知能・ロボットの導入を考えもつかなかった未開拓の分野で、新しい需要を創出することを狙いとしています。
ロボットにとって、果物や工具のように一つ一つの形や重さがバラバラで不定形な物などをつかむことは難しい課題です。従来、ロボットハンドでさまざまな形状の物をつかむには、指の一本一本や関節の一つ一つなどにセンサーやモーターなどを組み込み、それら多数の電子部品を制御する複雑なプログラムが必要とされていました。そのため、制御の難しさ、軽量化、耐久性向上、誤作動による故障や事故の低減、省電力化などが、産業利用上の課題とされていました。
そこで、NEDOとダブル技研株式会社、公立大学法人首都大学東京 東京都立産業技術高等専門学校 深谷直樹准教授らの研究メンバーは、極めて単純な制御だけでさまざまな形状の物を安定的にかつ優しくつかむことができるロボットハンドの「からくり」の開発に成功しました。からくりとは、電子制御に頼らずに望ましい動作や挙動を実現するための、機械装置の構造的な仕掛けです。今回、人間の手や指の微妙な構造を工学的に模倣したからくりのような新構造によって、モーターやセンサーなどの電子部品や、プログラム制御の複雑さを最小限にすることが可能なため、上記の課題を解決することができます。
新構造を応用した人間型5本指ロボットハンドの「F-hand」、産業用3本指の「New D-hand」、機械部品を一切使わずに紙だけで構成した「オリガミハンド」はそれぞれ、人間の手でしかできなかった農作業をロボット技術で代替することや、物流や製造業でより容易にロボット技術を導入すること、さらには医療や食品などの衛生分野や、将来は宇宙や深海といった極限環境でロボットハンドを活用することなど、さまざまな用途展開が期待できます。
なお、ダブル技研(株)は、今回開発した3種類のロボットハンドについて、1月17日から19日まで東京ビッグサイトで開催される「第2回ロボデックス」に出展します(小間番号:W2-48)。
※以下は添付リリースを参照
※別紙は添付の関連資料を参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
図1
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0468120_01.JPG
添付リリース
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0468120_02.pdf
別紙