2018年10月20日(土)

プレスリリース

東大と阪大、DNA2本鎖が切断された場所に修復タンパク質が集まる仕組みを解明

2018/1/12 19:05
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発表日:2018年1月12日

DNA2本鎖が切断された場所に修復タンパク質が集まる仕組み

1.発表者:

深井 周也(東京大学 分子細胞生物学研究所 蛋白質複合体解析研究分野 准教授)

中田慎一郎(大阪大学 高等共創研究院/大学院医学系研究科 細胞応答制御学 教授)

2.発表のポイント:

◆DNA2本鎖の切断を修復するために必要なタンパク質RNF168(注1)がDNA 損傷部位に集まる仕組みを明らかにしました。

◆RNF168 が複数の機能ユニットを利用してDNA 損傷部位の目印となるユビキチン鎖(注2)を認識する分子機構を明らかにしました。

◆本成果は、DNA2本鎖切断の修復で重要な一過程の分子機構を明らかにしたもので、細胞のがん化や放射線感受性を抑えるための基盤となる知見になると期待されます。

3.発表概要:

東京大学分子細胞生物学研究所(所長 白髭克彦)の深井周也准教授、大阪大学の中田慎一郎教授(高等共創研究院/大学院医学系研究科)らの研究グループは、DNA2本鎖の切断を修復するために必要なタンパク質RNF168 が二つのユビキチン鎖認識ドメイン(UDM1 およびUDM2)を介してユビキチン鎖を認識してDNA 損傷部位に集まる仕組みを明らかにしました(図1)。これまでの研究により、RNF168 に含まれるUDM1 とUDM2 の二つの領域がユビキチンの認識に関与していることが示唆されていましたが、この二つの領域内に含まれるどの機能ユニットがユビキチンを直接認識しているのかは不明でした。深井准教授らの研究グループは、UDM1 およびUDM2 がユビキチン鎖と結合した状態の立体構造を決定し、さらに分子・細胞レベルでの変異体解析を行うことで、新たな機能ユニットを含む複数の機能ユニットがユビキチン鎖を認識する様子を明らかにしました。本研究成果は、DNA2本鎖切断の修復で重要な一過程の分子機構を明らかにしたもので、細胞のがん化や放射線感受性を抑えるための基盤となる知見になると期待されます。

4.発表内容:

【研究の背景】

最も重篤なDNA 損傷の一つであるDNA2本鎖の切断は複数の反応過程を経て修復されます。DNA は通常、四種類のコアヒストンタンパク質が二つずつ入ったヒストン八量体に巻きついた状態で存在します。ヒストン八量体とそれに巻きついたDNA を一単位とした構造をヌクレオソームと呼び、ヌクレオソームが数珠状につらなった構造をクロマチンと呼びます。

DNA2本鎖切断の修復過程では、切断部位周辺のクロマチンでリン酸化が起き、次に、シグナルタンパク質であるユビキチンが付加(ユビキチン化)された後に、それを目印として53BP1 やBRCA1 といった修復タンパク質が集積してくることがわかっています(図1)。

ユビキチンは、自身にユビキチンが付加することで数珠つなぎの鎖(ユビキチン鎖)を形成して機能する例が多く知られていますが、DNA2本鎖切断の修復過程でもユビキチン鎖が形成されます。DNA2本鎖切断の修復過程での損傷クロマチンのユビキチン化では、ユビキチン付加酵素であるRNF168 が必須な役割を担い、53BP1 やBRCA1 に加えてRNF168 自身もユビキチン鎖を目印として集積することがわかっていました。RNF168 には、ユビキチンと結合する領域が複数知られていますが、それらのうちどの領域がどのようにユビキチン単独あるいはユビキチン鎖と結合するのか、また、どう使い分けがなされているのかは不明でした。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0468029_01.pdf

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