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東大、新しい分子進化解析法によって約25億年前に起こった遺伝子制御システム複雑化の仕組みを解明

2017/12/27 2:05
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発表日:2017年12月27日

新しい分子進化解析法によって約25億年前に起こった遺伝子制御システム複雑化の仕組みを明らかにした

■発表のポイント:

◆古細菌から真核細胞への進化は約25億年前に起こったと考えられ、そのきっかけの中心だったであろう遺伝情報を取り出す「転写開始システム」の複雑化の仕組みを解明した。

◆DNAが残存していないため、古代生物の遺伝子制御システムの解析は不可能だったが、報告者が開発した分子進化解析法により約25億年前の進化の様子が初めて明らかになった。

◆昨年に引き続き、今回の成果も分子進化学における重要な発見になると共に、今後人工知能がより"複雑化"あるいは"進化"するための手掛かりになる示唆を与えることが期待される。

■発表概要:

約60年前、ポーリングらによりDNAや蛋白質の配列解析に基づく分子進化学(注1)という分野が生まれたが、古代生物のDNAが化石として残ることはないため、太古の分子進化を探ることは不可能であった。高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所の安達成彦・千田俊哉および東京大学 分子細胞生物学研究所の堀越正美は、DNAや蛋白質に含まれる繰り返し配列に着目し、進化の過程で生じた現存遺伝子と祖先遺伝子の違いを算出できる新しい解析法を昨年考案した(参考文献)。この解析法を使って、約35億年前、遺伝情報(注2)を取り出す転写(注3)開始システムに起こった進化の仕組みの一端を明らかにした。

今回、理化学研究所 統合生命医科学研究センターの川上英良、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の安達成彦・千田俊哉および東京大学 分子細胞生物学研究所の堀越正美は、約25億年前に古細菌(注4)から真核細胞(注5)が誕生したときの、転写開始システムの複雑化が起こった仕組みを明らかにすることに成功した。転写開始を指令するTBP(TATAボックス結合因子:TATA box-binding protein)(注6)の繰り返し配列に起こった変異が真核生物では高度に保存されたため、真核生物TBPには多くの転写関連因子が相互作用することで、複雑化の一途をたどったことが明らかとなった。

太古の時代に起こった進化の仕組みを明らかにしたことにより、本研究グループが独自に開発した進化指標を用いて、解かれることのなかった分子進化上の様々な疑問を解明できると考えている。

参考文献:Scientific Reports,6,27922(2016)Uncovering ancient transcription systems with a novel evolutionary indicator Naruhiko Adachi,Toshiya Senda,Masami Horikoshi

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0466446_01.pdf

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