2018年4月23日(月)

プレスリリース

東大と東北大など、金属膜の磁力を電気的にオンオフし透過光を制御することに成功

2017/11/16 14:35
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発表日:2017年11月16日

金属膜の磁力を電気的にオンオフし、透過光を制御することに成功

~ファラデー効果のオンオフを利用した電気的光制御~

 

1.発表者:

 日比野有岐(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程2年)

 小山 知弘(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 助教)

 鷲見 聡(豊田工業大学大学院 極限材料専攻 研究員)

 粟野 博之(豊田工業大学大学院 極限材料専攻 教授)

 三輪 一元(電力中央研究所 材料科学研究所 特別契約研究員)

 小野 新平(電力中央研究所 材料科学研究所 上席研究員)

 好田 誠(東北大学大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻 准教授)

 千葉 大地(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 准教授)

2.発表のポイント:

 ◆自然界では磁石であるコバルト(金属)を薄膜にし、その磁力を電気的にオンオフする技術を用いて、コバルト薄膜を透過する光の強度をスイッチすることに室温で成功しました。

 ◆磁石を使った光の制御は、これまで磁界を用いた磁化の方向制御を用いて行われてきましたが、今回の成果は磁界ではなく電界を用いることでこれを実現することができました。

 ◆コイルを用いて磁界を発生させることなく、すでに広く利用されている金属の磁石の膜を使った素子にもともと組み込まれた電極を用いて電圧を加える、というシンプルな構造で透過光を制御できるため、新たな光の制御方法として重要な役割を担うことが期待されます。

3.発表概要:

 二枚の偏光板を重ねて一方を回転させると、透過光が明るくなったり暗くなったりします。光には偏光(注1)という性質があり、偏光板は特定の偏光面を持つ光しか通しません。そのため、一枚目の偏光板で偏光面が揃った光が二枚目の偏光板を透過するかどうかは、両偏光板の相対角度に依存します。一方で、偏光面の回転は光が透過する物質の磁気的性質とも深く関わっており、ファラデー効果として古くから知られています。同効果は光アイソレータ(注2)などに利用され、大きな電力を使って発生する磁界が主な制御手段とされてきました。

 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の日比野有岐大学院生、同 千葉大地 准教授、豊田工業大学の粟野博之教授、電力中央研究所の小野新平上席研究員、東北大学の好田誠准教授などからなる研究チームは、自然界では磁石として存在するコバルト(金属)を薄膜にし、その磁力を電気的にオンオフする技術を用いて、ファラデー効果自体をオンオフすることに成功しました。つまり偏光面の回転そのものが、磁界ではなく電気的に制御できるわけです。これにより、偏光板との組み合わせで、光の透過強度を少ない電力で電気的に制御できるようになりました。

 すでに広く利用されている金属の磁石の膜を使った素子にもともと組み込まれた電極を用いて電圧を加える、というシンプルな構造で透過光を制御できるため、光通信を支える光素子の性能向上や小型化・集積化・省エネ化という面で、今後重要な役割を果たすことが期待されます。

 本成果は、2017年11月17日に、「アプライド・フィジックス・エクスプレス(Applied Physics Express)」のオンライン版に掲載されます。なお、本研究は科研費基盤研究(S)の助成を受けて実施されました。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0463549_01.pdf

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