2017年11月22日(水)

プレスリリース

東北大、ショウジョウバエでの研究成果で“女性脳”と“男性脳”を切り替えるスイッチ遺伝子を発見

2017/11/14 19:00
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発表日:2017年11月14日

“女性脳”と“男性脳”を切り替えるスイッチ遺伝子を発見

―ショウジョウバエでの研究成果―

 

【概要】

 女性と男性とでは、同じものを見たり聞いたりしても、受け止め方に大きな違いがあります。それは脳の回路の組み立てやその働き方に性差があるためと考えられますが、どのような仕組みによって男女の脳の違いが作られるのかは、秘密のベールに包まれていました。

 このたび東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授のグループは、ショウジョウバエの脳回路の雌雄差の研究を通じて、遺伝子のオン・オフを司る一つのタンパク質が、女性脳-男性脳の切り替えスイッチであることを突き止めました。

 研究グループは、脳内で性フェロモンの検出に携わっているmAL(*1)という名の脳細胞が雄に固有の突起(雄型突起)を持つことに着目して、この突起の有無を左右する遺伝子を探しました。その結果、ティーアールエフ2(TRF2)(*2)と呼ばれる“月並みな”雌雄共通のスイッチタンパク質が、その鍵を握っていることがわかりました。TRF2は、雌の脳では雄型突起を抑制する遺伝子(*3)の読み取りをオンにして、脳細胞を雌型にします。雄の脳では、雄型突起抑制遺伝子の読み取りを低下させる雄化タンパク質、フルートレス・エム(FruM)(*4)の援軍として働いて、抑制遺伝子をほぼ完全にオフにします。その結果、雄型突起は雄の脳細胞だけに作られるのです。

 こうして、TRF2の遺伝子読み取りに対する働きに二面性があり、雄化タンパク質、FruMのない時にはオン・スイッチ、FruMのある時にはオフ・スイッチとして働くこと、そしてこの二面性によって、脳が雌型になるか雄型になるかが決まること、がわかったのです。

 本研究成果は、Springer Nature(UK)発行のonline科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』(Nature Communications)にて11月14日19時(日本時間)に発表されます。

【背景】

 ショウジョウバエのフルートレス(fru)遺伝子の機能が失われると雄が同性愛化し、雌に求愛も交尾もしなくなるという発見にこの研究は端を発しています。その後の研究から、fru遺伝子から作られる雄特異的FruMタンパク質がロボ1(robo1)という遺伝子の読み取りをオフにすることによって、雄の脳の神経細胞の形が雄型になることがわかりましたが、何が雌の脳でrobo1遺伝子をオンにするのかは不明でした。その解明を目指した本研究によって、遺伝子の読み取りを雌雄で正反対に制御する働きをTRF2タンパク質が有していることが発見されたのです。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0463180_01.pdf

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