2017年12月16日(土)

プレスリリース

九大、レーザー核融合ロケット実現に向けたプラズマの噴出制御に成功

2017/10/27 14:35
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発表日:2017年10月27日

恒星間航行ロケットの原理実証に一歩前進

-レーザー核融合ロケット実現に向けたプラズマの噴出制御に成功-

 

 九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教と山本直嗣教授は、大阪大学レーザー科学研究所、パデュー大学、光産業創成大学院大学、広島大学、明石高専と協力して、プラズマロケット磁気ノズルのレーザー生成プラズマ噴出方向の制御に成功しました。

 有人火星探査が現実味を帯びる中、従来までの化学ロケットでは火星までの往復に長時間を要し、宇宙船乗務員・乗客には、心理的な負担に加えて宇宙線被曝、骨密度減少など大きな負荷をかけます。そのため化学ロケットに代わる高速の宇宙船・ロケットが求められています。将来の惑星間・恒星間航行の有力候補とされるレーザー核融合ロケットでは、高速で膨張する核融合プラズマを、強力な磁場で制御し排出します。

 今回、大阪大学レーザー科学研究所のEUVデータベースレーザー(出力エネルギー:6J)を固体に照射することで高速に膨張するプラズマを生成し、複数の電磁石を組み合わせた磁気ノズルで排出プラズマの方向制御が可能であることをはじめて実験的に実証しました。さらにレーザー照射によって生成されるプラズマとその膨張過程を数値シミュレーションで計算することで、本手法の原理が実証可能であることを確認しました。

 本成果は、平成29年8月21日(月)に英国科学誌Springer Natureが出版する『Scientific Reports』誌に掲載されました。引き続き、10月16日(月)から20日(金)にかけて、さらに100倍のエネルギーをもつ大阪大学レーザー科学研究所の大型レーザー(激光XII号)を利用して、その性能を向上させるための詳細な実験を行い、本手法の実用化を確信する実験データを得ました。今後は実機で想定されるような、さらに1000倍のエネルギーを用いたプラズマロケット磁気ノズルの原理実証を目指して、研究を進めていきます。

 本研究はJSPS 科研費 若手研究(B) JP15K18283、JP17K14876 および大阪大学レーザー科学研究所の支援を受けて行われました。

 参考論文 Scientific Reports 7, Article number: 8910 (2017)

 https://www.nature.com/articles/s41598-017-09273-3

■研究者からひとこと:

 将来の高出力・低燃費ロケットとして有力な候補であるレーザー核融合ロケットは、磁場で核融合プラズマを制御して排出します。今回、磁場でプラズマ排出方向を制御する手法を、実験・シミュレーションで実証しました。この手法を用いると、補助的なエンジンなしで方向制御が簡易に行えるため、画期的な手法といえます。

 

 ※図1・2は添付の関連資料を参照

 

<レーザー核融合ロケットとは?>

 軽い核同士が、融合して発生するエネルギーは、化学反応に比較して、単位質量あたり、7桁ほど大きい。このため、高温・高密度のプラズマが容易に得られる。このプラズマを磁場で制御して高速のプラズマとし、後方に噴出することにより、推力が得られる。

<研究の背景>

 有人火星探査が、現実味を帯びる中で、その課題も明らかになってきた。従来までの化学ロケットでは、火星までの往復に、長時間を要する。このため、宇宙船乗務員・乗客に多大な負荷をかける。例えば、宇宙線による被曝、狭い空間に長時間閉じ込められるための心理的な負担、骨密度の減少などである。そのため、化学ロケットに代わる、高速の宇宙船・ロケットが求められている。この要望に応えられる高速の宇宙船が、レーザー核融合ロケットである。当研究室では、中島秀紀教授(現名誉教授)のもとに30年ほど前から、主にシミュレーション・設計を通して実用化を研究してきた。ここ数年は、大阪大学と共同研究で、実験的に、核融合ロケットの原理・実証試験が可能になった。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

図1・2

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0461660_01.JPG

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0461660_02.pdf

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