プレスリリース

東大、赤色 cAMP 可視化蛍光タンパク質センサーを開発

2017/8/4 18:05
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発表日:2017年8月4日

世界初の赤色 cAMP 可視化蛍光タンパク質センサーの開発

 

1.発表者:

 原田 一貴(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 博士課程 2 年)

 伊藤 幹 (東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 修士課程 2 年(研究当時))

 坪井 貴司(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 准教授)

 王 筱文 (理化学研究所脳科学総合研究センター神経グリア回路研究チーム 技官)

 田中 三佳(理化学研究所脳科学総合研究センター神経グリア回路研究チーム 研究員(研究当時))

 Devina Wongso(早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所 技官)

 今野 歩 (群馬大学大学院医学系研究科脳神経再生医学分野 講師)

 平井 宏和(群馬大学大学院医学系研究科脳神経再生医学分野 教授)

 平瀬 肇 (理化学研究所脳科学総合研究センター神経グリア回路研究チーム チームリーダー)

 北口 哲也(早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所 主任研究員(研究当時))

2.発表のポイント:

 ◆生命現象に関わる重要な分子であるcAMPの細胞内の濃度変化を可視化解析できる赤色蛍光タンパク質センサー(注1)の開発に成功しました。

 ◆本研究で開発した赤色蛍光タンパク質センサーは、cAMPに応答して蛍光輝度が約4.2倍に上昇します。

 ◆青色光で活性化するcAMP合成酵素との併用、細胞内カルシウムイオンとの同時イメージング、生きたマウスの脳内でのイメージングに成功しました。

3.発表概要:

 環状アデノシン一リン酸(cyclic adenosine monophosphate: cAMP)は細胞において、ホルモン分泌や記憶形成などの重要な生理現象を制御します。発表者らの研究グループはこれまで、細胞内のcAMP動態を可視化するため、緑色蛍光タンパク質を基盤とした単色輝度変化型cAMPセンサーを開発してきました。しかし、他の多くの単色蛍光タンパク質センサーも緑色蛍光タンパク質由来であることから多重色イメージングへの適用が困難である点、また観察に青色の励起光を必要とするため、青色光で活性化される光遺伝学(注2)技術と併用できない点が課題でした。

 今回発表者らのグループは、赤色蛍光タンパク質を基盤としたcAMPセンサーを開発しPink Flamindo(Pink Fluorescent cAMP indicator)と命名しました。Pink Flamindo は試験管内において、cAMPに応答して蛍光強度が約4.2倍上昇し、培養細胞内においてもcAMP動態を検出することができました。また青色光照射によって光活性化アデニル酸シクラーゼ(注3)が誘導するcAMP産生や、緑色Ca2+蛍光センサーG-GECOと共に使用することで細胞内のCa2+とcAMPの2色同時観察にも成功しました。さらに生きたマウス脳内でのアストロサイト(注4)内cAMP動態の可視化にも成功しました。

 以上の結果から、今回開発したPink Flamindo は、細胞内におけるcAMPを含む多分子間の階層的機能相関を解析する多重色イメージングへの適用が可能です。さらに光遺伝学や生体内イメージング技術などと組み合わせることで、イメージング研究の発展に大きく寄与することが期待されます。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0453355_01.pdf

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