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横浜市大と理研、腫瘍細胞の糖鎖と結合する人工レクチンを計算機科学で設計

2017/7/27 17:45
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発表日:2017年7月27日

腫瘍細胞の糖鎖と結合する人工レクチンを計算機科学で設計

『Scientific Reports』に掲載

横浜市立大学大学院 生命医科学研究科 寺田大樹博士、ジェレミー・テイム教授、生命ナノシステム科学研究科 大関泰裕教授と、理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 構造バイオインフォマティクス研究チームのケム・ツァン チームリーダー、長崎国際大学大学院 薬学研究科 藤井佑樹講師らの共同研究グループは、抗腫瘍細胞活性を有するムール貝(ムラサキイガイ)のタンパク質MytiLec(マイティレック)-1の構造情報をもとに計算機科学を用いて設計した、人工レクチンMitsuba(ミツバ)-1の作出に成功しました。こうした人工レクチンは、薬剤やタンパク質と複合体化させた新素材として、糖鎖を標的にしたがん治療薬開発への応用が期待されます。

☆研究成果のポイント

○抗リンパ腫細胞活性を持つムラサキイガイ由来レクチン「MytiLec-1」のアミノ酸配列を40%改変した人工レクチン「Mitsuba-1」を、コンピューターで設計した。

○Mitsuba-1は、溶液中で安定して存在し、赤血球凝集活性は示さず、リンパ腫細胞の表面にあるグロボトリオース(Gb3)糖鎖に結合した。

■研究の背景

動物細胞の表面にあるタンパク質・脂質の多くは、糖鎖が共有結合した糖タンパク質・糖脂質として存在しています。このため、細胞の表面は糖鎖で覆われています。レクチンは動植微生物に広く存在する、糖鎖を識別して結合するタンパク質の総称で、細胞表面の糖鎖と結合して細胞の凝集や増殖の調節を行うことが知られています。

MytiLec-1は、海産無脊椎動物のムール貝(ムラサキイガイ)から発見されたレクチンで、α-ガラクトース糖を末端に持つグロボトリオース(Gb3)糖鎖と結合します(1。Gb3糖鎖を多く持つヒト・バーキットリンパ腫の培養細胞にMytiLec-1を加えると、Gb3と結合し、細胞内部のタンパク質が活性化されて細胞死が起きました(2。MytiLec-1の立体構造は、レクチンの代表的な構造のひとつであるベータトレフォイル(三つ葉)構造で、抗腫瘍細胞活性の発揮とタンパク質としての安定性の保持には、2量体化を要しました(3。MytiLec-1の抗腫瘍性は、がん治療の創薬に有用と考えられる一方で、赤血球凝集活性を持つため、そのままでは使えません。培養液中の安定性と抗腫瘍性は残しつつ、赤血球凝集活性を除く加工を目的に、計算機科学を用いてMytiLec-1の構造を模して設計した人工レクチン「Mitsuba-1」の開発を行いました。

※リリース詳細は添付の関連資料を参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0452527_01.pdf

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