2019年5月22日(水)

プレスリリース

東京農工大と近大、人体に有害な「鉛」とは反応しない熱安定な有機物を用いた非鉛ペロブスカイト太陽電池の作製に成功

2017/7/10 18:00
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発表日:2017年7月10日

人体に有害な「鉛」とは反応しない熱安定な有機物を用いた

非鉛ペロブスカイト太陽電池の作製に成功

~グアニジンヨウ化水素酸塩とヨウ化スズを用いた新たなペロブスカイト太陽電池~

東京農工大学大学院工学研究院の嘉治寿彦准教授、同大学院博士前期課程在籍の石橋浩伸大学院生、近畿大学理工学部の田中仙君講師らの研究グループは、次世代太陽電池として注目されているペロブスカイト太陽電池(注1)の分野において、熱安定な有機物であるグアニジンヨウ化水素酸塩が、ペロブスカイト太陽電池の主原料であるヨウ化鉛とは反応しないにもかかわらず、その代替材料として通常用いられるヨウ化スズとは反応して、太陽電池として動作することを発見しました。

ペロブスカイト太陽電池は、現在主流のシリコン太陽電池にせまる高い太陽光エネルギーの変換効率と、安価というメリットがある一方で、主原料として、人体に有害な鉛や、有機物の中でも熱分解しやすいメチルアミンヨウ化水素酸塩などを用いているため、実用化に問題も抱えています。

今後、人体に有害な鉛を用いない、安全で安定なペロブスカイト太陽電池の研究開発の促進が期待されます。

[ポイント]

1. ヨウ化鉛とは反応しないグアニジンヨウ化水素酸塩がヨウ化スズとは反応することを発見しました。

2. 熱的に安定なグアニジンヨウ化水素酸塩を用いることで熱分解の問題なしに真空蒸着できました。

3. 将来的に、人体に有害な鉛を用いない、安全で安定なペロブスカイト太陽電池への応用が期待されます。

本研究成果は、本研究成果は英国の科学誌「Scientific Reports」(インパクトファクター 5.228 2016 年)7 月10 日10 時(日本時間7 月10 日18 時)に掲載されます。

" Hybrid perovskite solar cells fabricated from guanidine hydroiodide and tin iodide"(グアニジンヨウ化水素酸塩とヨウ化スズで作製したハイブリッドペロブスカイト太陽電池)Scientific Reports, Vol. (2017).

URL:http://www.nature.com/articles/s41598-017-05317-w

■研究背景:

ペロブスカイト太陽電池は近年急速に効率が向上し、世界中で盛んに研究されています。従来の太陽電池と比べて、安価で高効率なことから、次世代の太陽電池として期待されています。基本となる材料は無機物であるヨウ化鉛(PbI3)と有機物であるメチルアミンヨウ化水素酸塩(MAI)とを反応させたMAPbI3 というペロブスカイト構造をとる有機無機ハイブリッド材料です。現在、高効率化や高安定化、無毒化などの目的でこの材料の金属・有機物・ハロゲンをそれぞれ組替えた様々な材料が研究開発されています。このような新規太陽電池材料の探索において検討されている、ハロゲン化アミン有機材料の一つ、グアニジンヨウ化水素酸塩は、ペロブスカイト太陽電池の主要材料であるヨウ化鉛とは反応しないことが報告されており、あまり有力な材料とはされていませんでした。

※リリース詳細は添付の関連資料を参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0450523_01.pdf

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