2018年8月16日(木)

プレスリリース

東大と理研、がんワクチン「人工アジュバントベクター細胞(エーベック)」の開発と治験を開始

2017/7/5 14:05
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発表日:2017年7月5日

新しいがんワクチン「人工アジュバントベクター細胞(エーベック)」の

開発と治験の開始について

 

●発表のポイント

 ・東京大学医科学研究所および附属病院は、基礎研究を臨床応用へと橋渡しするトランスレーショナルリサーチを推進し、日本医療研究開発機構(AMED)「橋渡し研究戦略的推進プログラム」の拠点にもなっている。理化学研究所による次世代がんワクチンである人工アジュバントベクター細胞「エーベック:aAVC」の開発支援を行ってきたことから、同附属病院において医師主導型治験を実施することが決定した。

 ・エーベックは単回投与で自然免疫と獲得免疫、さらには一年以上にわたって持続する記憶免疫を誘導する「多機能性がんワクチンシステム」として開発された。エーベックの特徴は、薬効を維持させつつ、放射線照射した他家細胞を用いることで誰にでも使用できることにある。

 ・今回の医師主導治験では、再発または治療抵抗性急性骨髄性白血病を対象として、白血病に高率に発現するWT1抗原に着目して開発したaAVC-WT1の第I相試験を行う。WT1抗原を発現している癌腫全般に対して有効性を示すデータが得られているため、将来的には対象疾患の拡大を図ることが期待できる。またaAVCはワクチンシステムであるため、他のがん抗原を発現したaAVCの開発も可能である。

●発表概要:

 急性骨髄性白血病(AML)は造血幹細胞レベルでの遺伝子異常の蓄積により発症する造血器腫瘍で、成熟白血球減少や貧血、血小板減少などに伴う諸症状を来たす。成人の急性白血病の約7割がAMLである。現在は寛解導入療法により約80%の患者で寛解(骨髄芽球が5%未満に減少し、正常造血が回復した状態)が得られるようになり、約35%の患者で長期生存が得られるようになった。しかし、約20%の患者は初回治療抵抗性で寛解が得られず、また寛解が得られた患者も約65%が再発を来たし、これらの患者の長期予後は不良である。一方、がんワクチンは自己の免疫を賦活させる相補的な治療効果が期待できる。免疫学的観点からがん細胞をみると、ヒト組織適合抗原(HLA)を発現している細胞と発現していない細胞がしばしば混在するため、両者を排除するには作用機序の異なる自然免疫と獲得免疫を同時に活性化する必要がある。理化学研究所 藤井眞一郎チームリーダーらの開発した人工アジュバントベクター細胞「エーベック(aAVC)」(注1)は、これまで困難とされてきた(i)自然免疫、(ii)獲得免疫、(iii)記憶免疫を効率的に誘導する多機能性癌ワクチンシステムである。白血病に高率に発現するWT1抗原に着目し開発されたaAVC-WT1製剤について、開発および長年にわたる医薬品医療機器総合機構(PMDA)との薬事戦略相談を東京大学橋渡し研究拠点は支援してきた。このaAVC-WT1製剤について、東京大学医科学研究所附属病院血液腫瘍内科東條有伸教授らが医師主導型治験を実施する運びとなった。

 ※発表内容などリリースの詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

発表内容などリリースの詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0449989_01.pdf

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