2017年11月22日(水)

プレスリリース

産総研、カーボンナノチューブを用いて高い電磁波遮蔽能を持つ膜を形成する塗料を開発

2017/6/12 17:40
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発表日:2017年6月12日

カーボンナノチューブを用いた塗料で電磁波遮蔽(しゃへい)

-多様な基材に、過酷環境でも使える電磁波遮蔽塗布膜を実現-

 

■ポイント

 ・99.9 %以上の電磁波遮蔽能を持つ塗布膜を、カーボンナノチューブを用いた水性塗料で実現

 ・耐熱性が高く、長期安定性に優れ、曲げに強く、複雑形状部や可動部でも使用可能

 ・自動車用ワイヤーハーネスやロボットなど、多様な分野での電磁波遮蔽対策への活用を期待

■概要

  国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)ナノチューブ実用化研究センター【研究センター長 畠 賢治】CNT用途チーム 阿多 誠介 研究員、堅田 有信 特定集中研究専門員、物理計測標準研究部門【研究部門長 中村 安宏】電磁気計測研究グループ 加藤 悠人 研究員らは、スーパーグロース法で作製した単層カーボンナノチューブ(SGCNT)を用いて、高い電磁波遮蔽(しゃへい)能を持つ膜を形成する塗料を開発した。

 さまざまな電子機器の電磁波を遮蔽する方法として、電子機器やそれに接続する部品を金属の筐体(きょうたい)に収納する方法が従来用いられている。最近では、電子機器の多様化や小型軽量化に伴い、樹脂やゴムの複雑な形状の筐体やそれらの材料で覆われた部品が用いられることも多くなっており、複雑な形状の筐体や部品を基材として電磁波遮蔽塗料を塗布し、電磁波遮蔽能を付与する方法が注目されている。しかし、既存の電磁波遮蔽塗料は、基材の選択性に制限があったり、付与できる電磁波遮蔽能が低いなどの課題があった。

 今回、電磁波遮蔽能を持つ塗布膜を形成できる、SGCNTを用いた水性塗料(SGCNT系水性塗料)を開発した。この塗料は、基材の選択性が高く、バーコート法、スプレー法、ディップ法などのさまざまな塗布方法が利用できる。そのため平面ばかりではなく複雑な形状の基材にも塗布膜を形成することができる。さらに形成した塗布膜は高い電磁波遮蔽能と高温での耐久性を持ち、柔軟性があり、基材の変形にも追随できる。今後、高温環境で使用される自動車用ワイヤーハーネスや、可動部や複雑形状を持つ産業用ロボットなど、さまざまな分野での電磁波遮蔽対策への活用が期待される。

 なお、この技術は、2017年6月14日~15日にタワーホール船堀(東京都江戸川区)で開催されるプラスチック成形加工学会第28回年次大会の特別展示ブースで展示される。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照

■開発の社会的背景

 近年、無線通信を行う電子機器の増加と、通信速度の高速化や周波数帯域の拡大を背景に、電子機器の誤作動を引き起こす不要放射(スプリアス)を抑制する電磁波遮蔽対策の需要が高まっている。電磁波を遮蔽する方法として、電子機器やそれに接続する部品を金属の筐体に収納する方法が従来用いられているが、最近では電子機器の小型軽量化に伴い樹脂やゴムの複雑な形状の筐体やそれらの材料で覆われた部品が用いられることも多く、複雑な形状の筐体や部品を基材として電磁波遮蔽塗料を塗布して電磁波遮蔽能を付与する方法が注目されている。

 現在の一般的な電磁波遮蔽塗料の一つは、金属(銀(Ag))系塗料であり、この塗料の主成分はAg粒子、Ag粒子をつなぐバインダー樹脂、有機溶剤である。電磁波遮蔽能には優れるが、有機溶剤には他の物質を溶かす性質があるため塗布可能な基材が制限されていた。また、カーボンブラック(CB)粒子と水を用いたCB系塗料も開発されているが、電磁波遮蔽能が低いという課題があった。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

参考画像

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0447824_01.JPG

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0447824_02.pdf

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