2018年12月14日(金)

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東大と東北大など、銅の薄膜内に人工的に誘起した磁化が膜面に垂直方向を向くことを実証

2017/4/13 18:05
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発表日:2017年4月13日

銅の薄膜内に人工的に誘起した磁化が膜面に垂直方向を向くことを実証

1.発表者:

岡林 潤(東京大学大学院理学系研究科附属スペクトル化学研究センター 准教授)

小山知弘(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 助教)

鈴木基寛(高輝度光科学研究センター 主幹研究員)

辻川雅人(東北大学電気通信研究所、スピントロニクス学術連携研究教育センター 助教)

白井正文(東北大学電気通信研究所、スピントロニクス学術連携研究教育センター 教授)

千葉大地(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 准教授)

2.発表のポイント:

・非磁性体である銅薄膜において、薄膜の面に垂直な方向に揃う新しい磁石の性質を有する構造を開発しました。

・銅がコバルトおよび白金と接することにより、銅には面に垂直な磁化が誘起することを、放射光を用いた磁気分光法(X 線磁気円二色性)による元素別スペクトルの計測と計算から明らかにしました。

・スピントロニクス素子の設計では銅を電極として用いる場合が多く、本結果は銅に磁石の性質が滲みだすことから、これを考慮した素子設計において重要な指針を与えるものと期待されます。

3.発表概要:

東京大学大学院理学系研究科の岡林潤准教授、同大学院工学系研究科の千葉大地准教授、小山知弘助教、高輝度光科学研究センターの鈴木基寛主幹研究員、東北大学電気通信研究所の白井正文教授、辻川雅人助教による研究チームは、薄膜に対して垂直方向に磁石の性質が生じるコバルト(Co)と白金(Pt)の界面に銅(Cu)を挿入することで、Cuに磁石の性質が滲みだすことを、放射光(注1)を用いたX線磁気円二色性(XMCD、(注2))により初めて明らかにしました。特に、CoとPtの影響によりCuの磁化が膜面に対して垂直方向に向くことを世界で初めて実証しました。得られた結果は、磁性体と非磁性体が接合した界面に誘起される磁性に関する基礎物理学の理解を進展させるのみでなく、スピンを操作して低消費電力にて動作するスピントロニクス素子の設計においても重要な役割を果たすことが期待されます。

CoとPtの界面では、両元素の磁気的な相互作用により、膜面に垂直方向に磁化が揃うことが知られています。また、膜に垂直方向に磁化する材料は大容量の磁気記録デバイスには不可欠なものとして、スピントロニクス分野では研究されています。研究チームは、この界面に厚さの異なるCuを入れることにより、CoとPtの間の相互作用を媒介として、Cuに誘起される磁性について調べました。その結果、Cuが3原子層の厚さの範囲においては、Cuも垂直に磁化することが判りました。これを調べるためには、元素別に磁気状態を調べる必要があり、放射光を用いた元素選択的な磁性の検出手法が不可欠です。茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構放射光施設(フォトンファクトリー)において、東京大学大学院理学系研究科スペクトル化学研究センターが所有するビームライン(BL-7A)にてXMCDの測定を行うことにより、Cuの垂直磁化を捉えることができました。また、Pt原子の磁気特性についても、大型放射光施設SPring-8(BL39XU)での測定によりPtも膜に垂直方向に磁化する性質を持つことが明らかになりました。実験結果は、第一原理に基づく理論計算とも一致し、界面に誘起される新しい磁性材料の創出に繋がることが期待されます。

本成果は、2017年4月13日(英国時間午前10時)に、英国科学雑誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されます。なお、本研究は科研費基盤研究(S),(B)の助成を受けて実施されました。

※リリース詳細は添付の関連資料を参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0442169_01.pdf

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