2018年7月17日(火)

プレスリリース

東大、動く細胞集団の作る新しいパターンを発見

2017/4/13 2:00
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発表日:2017年4月13日

動く細胞集団の作る新しいパターンの発見

~神経幹細胞はトポロジカル欠陥を選別する~

 

■発表のポイント

 ◆脳の元となる神経幹細胞の集団に、液晶や磁性体などの研究でよく知られる『トポロジカル欠陥』が形成され、その配置が細胞の集積・逃避を支配していることが初めてわかった。

 ◆理論モデルによりトポロジカル欠陥周辺での細胞集積・逃避現象の基本原理を明らかにし、これが必ずしも生命現象特有のものではなく、普遍的な物理現象であることを示した。

 ◆本研究により、身体の器官形成や新生ニューロンの移動など、細胞集団の運動が関わる現象への基礎的理解が深まった。

■発表概要:

 鍋の中に短く切った乾麺を入れ、ゆすりながら敷きつめると、乾麺同士がぶつかり合い、最終的に隣り合う乾麺の向きがそろった状態に落ち着きます(図1)。ところがこの状態の全体を見渡すと、乾麺の向きが全くそろっていない奇妙な点がところどころに生じうることがわかります。これは『トポロジカル欠陥』(注1)と呼ばれる構造で、一度形成されると鍋を多少ゆすった程度では消すことができない、頑強なパターンであることが知られています。

 ハーバード大学医学大学院・東京大学大学院理学系研究科の川口研究員らのグループ(注2)は、脳の元となる神経幹細胞(注3)の集団においても同様なトポロジカル欠陥が生じることを見つけ、さらにそのトポロジカル欠陥の位置に細胞が集積するという新しい現象を発見しました(図2)。トポロジカル欠陥は、その頑強な性質から、液晶や磁性体などの物質の性質に強く影響を及ぼすことが分かっており、その研究は昨年のノーベル物理学賞の対象の一つともなりました。しかし、棒や磁性体のように止まっている集団の中のトポロジカル欠陥の性質が調べられている一方、細胞のように自発運動する集団の中で何が起きているかは、これまで未解明でした。この研究により、生物の発生過程やヒトの体内で細胞がどのように輸送されるかなど、生物学・医学において未解明な課題に新たな切り口が持ち込まれるものと期待されます。

 ※発表内容などリリース詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

発表内容などリリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0442066_01.pdf

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