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東大、合奏のテンポがしばしば無意図的に速くなってしまう原因を解明

2017/3/9 19:00
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発表日:2017年3月9日

合奏はなぜ速くなる?: 2人組でのリズム動作が シンクロのためのタイミング調節により高速化

1.発表者

岡野 真裕(東京大学大学院総合文化研究科・博士課程3年)

進矢 正宏(東京大学大学院総合文化研究科・助教)

工藤 和俊(東京大学大学院情報学環/総合文化研究科・准教授)

2.発表のポイント

◆合奏のテンポがしばしば無意図的に速くなってしまう(「走る」)原因は、演奏者の緊張や高揚よりも、タイミング調節メカニズムが一因であることを示しました。

◆2人組のタッピング課題を用いてこの現象を再現し、相手のタッピングに対して時間的に非対称なタイミング修正を行ったことによりテンポの高速化が起こることを明らかにしました。

◆この成果は、音楽パートナーの行動理解や合奏の練習を支援する環境の開発につながる可能性があると考えられます。

3.発表概要

音楽を演奏する際、演奏のテンポはしばしば意図せず速くなってしまいます。この現象は演奏家の間ではよく知られており、演奏/テンポが「走る」と呼ばれています。この傾向は合奏ではより顕著になり、技術が必ずしも十分でないアマチュアの悩みの種の1つです。東京大学大学院情報学環/総合文化研究科の工藤和俊准教授および進矢正宏助教、岡野真裕(博士課程大学院生)の研究グループは、一定リズムを保つタッピング課題を2人組で行うと、単独で行った場合より動作テンポが速くなりやすいことを示し、このテンポの高速化は、ペアのうちタップが速くなりがちな方の人が一方的にリードしたためというより、2者のタップのうち、早いほうに対して優先的に修正するという、2人の間で起こる時間的に非対称なタイミング調節により起こり得ることを明らかにしました。

このテンポの高速化は演奏現場では、演奏者の緊張や高揚といった生理・心理的な要因によって起こると考えられていましたが、本研究の結果は、「他のメンバーとの同期(シンクロ)を維持する」という、合奏という演奏形態そのものが暗黙的に備えている制約下でのタイミング調節メカニズムが、テンポ高速化の一因になっていることを示しています。

今後、ペアごと・個人ごとの速くなりやすさの差を決める要因や、生理・心理的要因との相互作用についても詳しく解明していくことで、意図した通りのテンポでの安定した演奏を実現するための効率的な練習方法や、スキルを評価するための指標の開発につながります。これらのことは、演奏技能の向上や、才能の発掘に貢献できるものと期待されます。

※発表内容などリリース詳細は添付の関連資料を参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

発表内容などリリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0438992_01.pdf

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