富士経済、炭素繊維複合材料の世界市場調査結果を発表
発表日:2017年3月1日

自動車用途、航空機用途を中心に市場拡大が期待される
炭素繊維複合材料の世界市場を調査
―2030年予測(2015年比)―
■PAN系炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP) 4兆9,058億円(4.0倍)
…CFRPが90%以上を占めるも自動車用途を中心にCFRTPも大きく伸びる
■自動車用途炭素繊維複合材料 CFRP 3,952億円(4.3倍) CFRTP 3,508億円(116.9倍)
…CFRTPが2025年頃から本格的な実用化時期を迎え市場が大幅拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、競合材料と比較して圧倒的な軽量化が実現できるため、自動車や航空機など様々な用途で採用が増えている炭素繊維複合材料とそのキーマテリアルや関連部材・装置の市場を調査した。
その結果を報告書「炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP)関連技術・用途市場の展望 2017」にまとめた。
この報告書では炭素繊維複合材料、キーマテリアル/関連部材・装置14品目の市場動向、加えて用途別市場動向や、研究開発プロジェクト・主要企業動向についても整理した。
<調査結果の概要>
■PAN系炭素繊維複合材料(成型加工品)の世界市場
※グラフ資料は添付の関連資料を参照
炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させて成形加工した炭素繊維複合材料(CFRP)の成形加工品と、マトリクス樹脂に熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRTP)の成形加工品を対象とする。
現状は、CFRPが航空機や風力発電、圧力容器など既存用途に加え近年では自動車用途においても採用が拡大しており、CFRP市場が数量ベースで80%以上、金額ベースでは90%以上を占めている。
CFRTPは自動車用途において、2020年から2025年にかけて採用が進み、2025年から2030年にかけて市場の急拡大が予想される。CFRTPは短時間で低コストな成形加工が可能な技術として開発が進んでおり、主に自動車用途を中心として採用が拡大するとみられる。2030年にはCFRTPの連続繊維製品の採用が大きく増えるため市場は拡大し、数量ベースではCFRTPがPAN系炭素繊維複合材料市場において30%近くを占めると予想される。
エリア別ではCFRP/CFRTP共に欧州と北米の需要が市場拡大をけん引するとみられる。
CFRPの用途は現状、航空機や風力発電ブレードなどの産業分野と自動車が中心である。単価が高いハイスペック品が採用される航空機用途が金額ベースでは40%以上を占めており、今後も航空機が市場拡大をけん引するが、自動車や水素タンク、建築・土木用途なども伸びるとみられる。
CFRTPの用途は現状、短くカットされた炭素繊維が摺動部品や静電部品に使用される割合が高い。CFRPと比べて炭素繊維含有量が低く強度や剛性などは劣るが、生産性やリサイクル性に優れている。今後、連続繊維の成形においても短時間成形技術が開発され、CFRTPの価格が低下する見通しである。2025年から2030年にかけては自動車の量産車種においても採用が拡大すると予測され、最大の需要用途になるとみられる。
※リリース詳細は添付の関連資料を参照
以上
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http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0438221_01.JPG
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