米、安保で財政負担要請 中曽根元首相83年訪問時

2017/1/12 10:00
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 中曽根康弘首相が1983年1月に初訪米した際、米国側が安全保障分野での財政負担を増やすよう強く求めていた実態が、12日公開の外交文書で明らかになった。中曽根氏が中東に派遣された多国籍軍への資金協力要請を即座に応諾していたことも判明。財政赤字拡大に悩む米国の要求を踏まえ、安保面での負担を肩代わりしていく構図の原点が見てとれる。中曽根氏はレーガン大統領との初会談で、同盟強化への積極貢献を表明し「ロン・ヤス関係」の構築につなげていった。

 83年1月19日発信の極秘公電によると、中曽根氏は米ワシントンで18日にシュルツ国務長官と会談。シュルツ氏は内戦中のレバノンに派遣された米国やフランスなどによる多国籍軍への資金提供を要請した。中曽根氏は「答えはイエスだ」と応じ、支出の規模や名目について外相間で協議するよう求めた。シュルツ氏は、累積債務に苦しむユーゴスラビアへの1億ドル分の支援も依頼した。

 ただ外務省は、多国籍軍への資金提供の有無について「確認できない」と説明。当時の外務省関係者は「費用計上の指示があったとの記憶はない」としている。

 18日のレーガン氏との会談では、日本が武器輸出三原則の例外として米国への武器技術供与を決めたことに関し、中曽根氏が「日本を正常な針路に乗せるため国民の説得に当たる」と強調。レーガン氏は歓迎した。

 この後の全体会合で中曽根氏は「日米は運命共同体で、喜びも悲しみも分かち合う」と表明。同席したワインバーガー国防長官は、前年度より増えた83年度防衛予算を評価しつつ、一層の上積みを促した。中曽根氏は有事ではソ連の潜水艦を日本海に封じ込め、爆撃機の日本通過も許さないとして理解を求めた。

 別の文書では、首脳会談前の米紙ワシントン・ポスト社主との朝食会で、中曽根氏は「日本列島を不沈空母のように強力に防衛する」と発言。憲法改正論議に関し「かかるタブーはあるべきではない」とも述べた。

 訪米の事前調整では、米上院議員らが大河原良雄駐米大使に、ペルシャ湾で原油輸送路の防衛に当たる米艦船の修理費や、米戦闘機の三沢基地(青森県)配備を巡り約3億ドルの施設経費の大半を日本が負担するよう求めた。〔共同〕

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