民進代表「アベノミクスは失敗」 財政目標困難と指摘 参院本会議
国会は24日午前の参院本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説への各党代表質問に入った。5年目を迎えたアベノミクスについて民進党の蓮舫代表は「失敗したと改めて確信した」と述べた。そのうえで「デフレ脱却はいつ実現するのか、具体的な時期を教えてほしい」とただした。
2020年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する財政健全化目標に関し、内閣府が25日に提出する試算では20年度まで高い成長率が続いたとしても赤字額が膨らむ見通し。蓮舫氏は現状での黒字化目標の達成は「魔法のようだ」とし、具体的な道筋を示すよう首相に求めた。消費増税の再延期によって「社会保障の充実は滞っている」との考えを示した。
「米国第一主義」を全面に掲げるトランプ米大統領に関しては、在日米軍駐留経費の日本側負担が増えるのではないかとの懸念を表明した。
電通社員の過労自殺問題に触れ、時間外労働の是正は急務だとし、民進党が国会に提出済みの法案を審議するべきだと強調。そのうえで政府による関連法案の提出時期をただした。
安倍政権下で文部科学省元幹部の天下りあっせん問題が見逃されてきたと批判。首相の施政方針演説で言及しなかったとも強調し「率直にどのように考えるのか教えていただきたい」と首相を追及した。
代表質問は23日から衆院で始まった。24日の参院本会議では蓮舫氏に続き、自民党の吉田博美参院幹事長が質問に立つ。同日午後は衆院本会議で公明党の井上義久幹事長、共産党の志位和夫委員長、日本維新の会の馬場伸幸幹事長が質問する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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