ミャンマー総選挙、投票終わる
【ヤンゴン=松井基一】8日実施されたミャンマー総選挙の投票が午後4時(日本時間同6時半)に締め切られた。一部地元メディアが実施した出口調査では、アウン・サン・スー・チー党首率いる最大野党の国民民主連盟(NLD)が8割超の支持を得るなど、優勢だ。NLDが国会議席の過半数を獲得し、初めて政権を奪取する可能性もある。

出口調査は地元大手紙のイレブンメディアグループなどが、8日午前6時から同11時にかけ、全国の投票所で1638人を対象に実施した。NLDに投票した人は全体の81.1%を占め、政権与党の連邦団結発展党(USDP)(5.7%)や、アラカン民族党(4%)などの少数民族政党を大きく上回った。
2011年春の民政移管後初となる今回の総選挙は、旧軍事政権の流れをくみ、テイン・セイン大統領の出身母体であるUSDPと、"真の民主化"を掲げ、国軍の政治関与を認めた現行憲法の改正を目指すNLDとの一騎打ちだ。最大都市ヤンゴンなどで投票は混乱なく実施された。
選挙では上下両院の全664議席の内、国軍司令官が指名する軍人議員の議席などを除く491議席が改選される。NLDの勝敗ラインは単独で大統領を指名できる国会議席の過半数の獲得。そのためには改選議席の3分の2超を得る必要がある。
NLDは投票日前の各種世論調査や、シンガポールなどで実施された在外投票の出口調査でも、USDPなどを大きくリードしている。
ミャンマーの現行憲法は外国籍の親族のいる人物に大統領資格を認めないため、2人の息子が英国籍のスー・チー氏は大統領になれない。ただスー・チー氏は5日の記者会見で「選挙に勝利すれば大統領以上の存在になる」と、自身の政権主導に強い意欲を示している。