東証大引け 5日続伸、85円高 成長株に資金流入、内需株に売り
29日の東京株式市場で日経平均株価は5日続伸した。終値は前日比85円58銭(0.39%)高の2万2262円60銭だった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ打ち止めが想定よりも早まるとの思惑で、前日の米株式相場が大幅に上昇し投資家心理が強気に傾いた。もっとも円高・ドル安の進行が利益確定売りを促し、日経平均は大引けにかけて伸び悩んだ。
前日の米株式相場の大幅高を受けて株価指数先物が上昇するとソフトバンクなど値がさ株に裁定取引に伴う買いが入った。米金利の先高観が後退し株式の相対的な割高感が和らぐとの見方から、PER(株価収益率)が高い成長株に資金が向かった。米中が通商問題を協議する間は追加関税の発動が避けられるとの思惑もくすぶるなか、日経平均は朝方に260円高となる場面があった。
その後はじりじりと伸び悩んだ。外国為替市場で円相場が1ドル=113円台前半まで上昇したことや時間外での米株価指数先物の下落が背景。このところ消去法的に買われてきた小売りなどの内需銘柄に利益確定売りが出たのも、相場全体の重荷だった。
JPX日経インデックス400は5日続伸した。終値は前日比46.85ポイント(0.32%)高の1万4674.31だった。東証株価指数(TOPIX)も5日続伸し、5.81ポイント(0.35%)高の1659.47で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5303億円。売買高は13億276万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1301、値下がりは730、変わらずは86だった。
大日本住友とリクルート、第一三共が大幅に上昇した。米年末商戦で家庭用ゲーム機の販売が好調だった任天堂も高い。京セラやダイキン、スズキも買われた。半面、ユニファミマやKDDI、明治HDの下げが目立った。訪日客消費の先行き不透明感から、資生堂やコーセーが売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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