東証大引け 小反発、円安やアジア株高で 日銀ETF買い観測も
29日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反発した。終値は前日比34円12銭(0.15%)高の2万2304円51銭だった。外国為替市場で1ドル=110円台後半まで円安・ドル高が進み、歩調を合わせるように株価指数先物に買いが入った。下げが続いていた中国・上海総合指数が堅調に推移したのも、投資家心理を下支えした。ただ米中貿易摩擦の激化懸念はくすぶり、日経平均は下げる場面もあった。
欧州連合(EU)首脳が日本時間29日に難民・移民問題で合意に至った。欧州政治の先行き不透明感がやや和らぐとの見方から、円安・ドル高が進行。株式市場では先物に買いが入り、現物株にも裁定取引に絡む買いが入った。午前の相場下落を受け、日銀が上場投資信託(ETF)買い入れを実施するとの観測も、短期視点で取引する投資家の買いを誘った。
もっとも、日経平均は下げ幅を100円超に広げる場面があった。米国の保護主義姿勢が鮮明になるなか、週末に新たなニュースが伝われば週明けの日本株相場もあおりを受けるとの懸念がくすぶり、一時は持ち高調整や利益確定の売りが優勢になった。
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反発した。終値は前日比26.66ポイント(0.17%)高の1万5312.40だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、3.89ポイント(0.23%)高の1730.89で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2986億円。売買高は12億8824万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1167と、全体の約56%を占めた。値下がりは829、変わらずは96銘柄だった。
新株発行と株式売り出しを中止すると発表したシャープが大幅上昇した。楽天や日立建機、ヤマハ発、Jフロントの上昇も目立った。一方、前日に2018年3~5月期の連結決算を発表したニトリHDは下落した。証券会社が投資判断を引き下げたスクリンが大幅安。ユニファミマやTOTO、ダイキンも下落した。
個別指導学習塾を運営するスプリックスは29日に東証1部に新規上場し、9時12分に公開価格を8%近く上回る2587円で初値を付けた。終値は2777円と初値を上回った。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
関連キーワード