東証大引け 続落、リスク回避の売り 上海株持ち直しで下げ渋る
19日の東京株式市場で日経平均株価は続落した。終値は前日比126円08銭(0.56%)安の2万2532円08銭だった。中国の景気減速懸念から前日の米株式相場が大幅に下落し、運用リスクを回避する目的の売りが先行。建機や精密機器、機械など中国関連とされる業種の下げが目立った。ただ、朝安後は押し目買いが優勢になり、日経平均は徐々に下げ渋った。
18日の米ダウ工業株30種平均が327ドル安と急落したことを受けて、日経平均は朝方に下げ幅を445円まで拡大する場面があった。もっとも、外国為替市場で円相場が伸び悩んだほか、午後は日銀による上場投資信託(ETF)買いの思惑や、株価指数先物の売り方による買い戻し、個人の押し目買いなどが支えとなり、日経平均は下げ幅を縮小した。
世界株安の一因となっていた中国・上海株式相場の持ち直しが投資心理の悪化に歯止めをかけた面が大きい。日本時間11時発表の中国の7~9月期国内総生産(GDP)は、物価変動を除く実質で前年同期比6.5%増となった。伸び率は4~6月期から縮小し、市場予想も下回ったが、中国GDPの減速はある程度織り込み済みとして上海株は朝安後上げに転じ、日本株への売り圧力も和らいだ。
東証1部の売買代金は概算で2兆3989億円、売買高は12億8165万株だった。来週から発表が本格化する国内主要企業の18年4~9月期決算を見極めたいとして、積極的な取引を手控える雰囲気は強かった。東証1部の値下がり銘柄数は1409、値上がりは616、変わらずは84銘柄だった。
東証株価指数(TOPIX)も続落し、終値は前日比11.79ポイント(0.69%)安の1692.85だった。JPX日経インデックス400も続落し、終値は前日比103.84ポイント(0.69%)安の1万5001.71だった。
ソフトバンクが安い。米国とサウジアラビアの関係悪化を受け、サウジ政府と運営する巨大ファンドの先行き不透明感が嫌気された。任天堂やソニー、トヨタ、コマツが売られた。一方、エーザイやアステラスなどの医薬品株、ユニファミマやセブン&アイ、イオンなど小売株が堅調だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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