東証大引け、大幅続落 360円安 裁定解消売りで後場に一段安
9日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落し、前日比360円89銭(1.76%)安の2万0096円30銭で終えた。下げ幅は4月30日の538円、1月6日の525円に次いで今年3番目の大きさだった。前日の欧米株安などを受けて利益確定売りが優勢になったほか、この日のアジア株が軒並み下落したことも重荷となった。株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出を前に大引けにかけては裁定解消売りが膨らんだ。
外国為替市場で円安に一服感が広がったことを受けて、朝方から輸出関連株を中心に幅広い銘柄に売りが広がった。その後は2万0300円を挟んでの小動きが続いていたが、14時過ぎに内閣府が発表した消費動向調査で消費者心理の判断が引き下げた直後には下げ幅を200円まで拡大。その後も「円売り・株価指数先物買いを手じまう動きが出るに伴い、裁定解消売りが進んだ」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)ことで、一段安になった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)もともに大幅に3日続落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆6627億円。売買高は23億6680万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は全体の9割近い1652、値上がりは166、変わらずは67だった。
個別では円安の一服を受けて日産自やトヨタが売られたほか、ファストリやファナックの値がさ株にも売りが膨らんだ。第一生命や損保JPNKが大幅安となり業種別東証株価指数(TOPIX)では保険株が値下がり率の首位だった。一方で東北電や北陸電など電力株に上昇が目立った。JR西日本、東ガスなどほかの内需株の一角にも買いが広がった。
東証2部株価指数は4日ぶりに反落した。テクノスJやベネ・ワンが下げ、コメ兵や日本プラストが上げた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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