東証大引け 4日続伸 米株高の流れ引き継ぐ 連日で高値更新
8日の東京株式市場で日経平均株価は小幅ながら4日続伸し、前日比61円55銭(0.26%)高の2万3391円87銭で終えた。4日連続で年初来高値を更新し、2018年10月10日以来およそ1年1カ月ぶりの水準を回復した。中国商務省は7日夕、米国との貿易協議で、発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと発表した。前日の米株式市場でリスクを選好する雰囲気が強まり、東京市場でも買いが先行した。ただ、中国側の見解に否定的な米高官の発言が出たことから買いの勢いは続かなかった。
中国政府の発表を受け、日経平均は朝方に一時上げ幅を250円超に拡大。心理的節目の2万3500円を取引時間中として約1年1カ月ぶりに上回った。ただ、米国のナバロ大統領補佐官が「現時点では『第1段階』の合意条件として関税撤廃を含めることに合意はない」と米フォックスニュースのインタビューで述べたと伝わると、協議進展に対する期待感は急速にしぼんだ。同氏は対中強硬派として知られ、交渉の先行き不透明感が改めて意識されたことで日経平均は下落に転じる場面もあった。
10月以降、景気敏感株がけん引する形で相場の戻り基調が続いていたことから短期的な過熱感を意識した利益確定売りも出やすかった。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比28.43ポイント(0.19%)高の1万5213.42。東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、4.64ポイント(0.27%)高の1702.77で終えた。いずれも年初来高値を更新した。
東証1部の売買代金は概算で3兆1255億円、売買高は16億2680万株だった。株価指数オプションの清算に伴う特別な売買があった影響で、前日よりも膨らんだ。東証1部の値上がり銘柄数は1028と、値下がりの1022銘柄と拮抗した。変わらずは103銘柄だった。
前日に19年4~9月期決算を発表し、業績の上振れ期待が高まったテルモが大幅高となった。ソフトバンクグループ(SBG)と合わせて2銘柄で日経平均を94円押し上げた。トレンドやキリンHD、リクルートも上昇。トヨタは4年3カ月ぶりの高値を付けた。半面、ファストリや東エレク、ダイキンが下落。資生堂やバンナムHDが大幅安。ファミマも下げた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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