東証大引け 小幅続伸 アジア株高や円高一服で持ち直し
4日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続伸し、前日比23円98銭(0.12%)高の2万0649円14銭で終えた。製造業の景況感悪化を受け前日の米国株が下落した流れを引き継ぎ、売りが先行したものの、円高進行が一服したことや、アジア各国・地域の株価指数が軒並み上昇したことが相場を下支えした。日本株を売り持ちしていた海外投資家の買い戻しが入り持ち直したが、上値は限られた。

米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した8月の製造業景況感指数が3年ぶりに好不調の境目となる50を下回った。米国景気の減速懸念が広がるなか、自動車や機械など景気敏感株への売り圧力が高まった。
一方、8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が上昇したことで、中国景気に対する悲観的な見方が和らいだ。アジア株が総じて堅調に推移し、売り込みにくさが意識されたほか、カジュアル衣料品店「ユニクロ」の8月国内既存店売上高が増収となったファストリが上昇し、日経平均を押し上げた。
市場では「米国景気の減速懸念が広がれば、米利下げ観測が一段と強まる可能性がある。流動性相場への期待が膨らめば株式市場にはプラス」(国内運用会社のファンドマネージャー)との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は小反落し、終値は前日比20.26ポイント(0.15%)安の1万3464.10。東証株価指数(TOPIX)は小反落し、3.98ポイント(0.26%)安の1506.81で終えた。ともに後場に下げ幅を縮小した。
東証1部の売買代金は概算で1兆5931億円で、前日より15%増えたものの3日連続で2兆円の節目を下回った。売買高は9億11万株。東証1部の値下がりは1587と全体の7割強を占めた。値上がり銘柄数は482、変わらずは81だった。
KDDIとオリンパス、東エレクが上昇。川崎汽が高い。一方、エーザイとヤマハ、ソフトバンクグループ(SBG)が下落したほか、資生堂やJTが安い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕