東証大引け、続落 人民元切り下げを嫌気、「インバウンド」関連安い
12日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、前日比327円98銭(1.58%)安の2万0392円77銭で終えた。7月29日以来、2週間ぶりの安値水準。中国が人民元の基準値を2日連続で引き下げ、中国企業と比べた日本企業の輸出競争力が鈍るとの懸念が広がった。通貨の事実上の切り下げに踏み切らざるを得ないほど中国景気の現状が悪いとの見方も投資家心理の悪化につながった。
中国企業と競合する一方で同国での販売を収益源とする日本企業は多い。これまで世界経済をけん引してきた中国景気の先行きを警戒する雰囲気が強く、運用リスクを回避する動きを促した。
株価指数オプション8月物の特別清算指数(SQ)算出を14日に控える。ここ数カ月はSQ前に相場が荒れる傾向があり、いったん下値模索となるとの思惑から下げに拍車が掛かりやすかった。
日本時間14時半発表の7月の中国小売売上高は、市場予想並みの前年同月比10.5%増だった。同時刻発表の中国の経済指標は市場予想に沿った内容のものが比較的多く、相場の反応は限られた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比198.02ポイント(1.30%)安の1万5021.50だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、21.85ポイント(1.29%)安の1665.75で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆373億円。売買高は25億3969万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1533と、全体の8割強を占めた。値上がりは289、変わらずは67銘柄だった。
トヨタや三菱UFJが下落。中国人など訪日外国人の恩恵を受ける「インバウンド」関連とされるコーセーや資生堂、ビックカメラ、小林製薬の値下がりが目立った。JFEも安い。一方、通信のソフトバンクグループやNTT、KDDIが上昇。東電が上げ、セイコーHDの値上がりが目立った。
東証2部株価指数は4日続落した。ラオックスとコメ兵が下げ、朝日インテクと太平製が上げた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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