東証14時、不安定な値動き 一時2万円に接近、日銀総裁発言で
10日後場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は前日終値を挟んで不安定な値動きとなっている。14時前には一時前日比79円安の2万0016円と2万円に接近した。後場に日銀の黒田東彦総裁が実効為替レートについて「さらに円安に振れることはありえない」との発言が伝わると、一時円相場が1ドル=122円台まで上昇。同時に株価指数先物に売りが膨らみ現物株も連れて下げた。
前日に日経平均は先物に売りが出たことで、今年3番目の下げ幅を記録していた。12日の株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出を前に、「これまで積み上がっていた裁定取引の解消売りが出やすい」(東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリスト)との指摘もある。後場の日経平均の値幅は250円を超え、不安定な展開となっている。一方で下値では押し目買いが入っているとの声もある。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)は前日終値近辺で推移。日経平均と同様に不安定な動きが続く。
14時現在の東証1部の売買代金は概算で2兆1629億円、売買高は19億4023万株。東証1部の値下がり銘柄数は893、値上がりは830、変わらずは162となっている。
個別銘柄では、後場寄り直後にはきょうの高値を付けていたファナックが下げに転じた。みずほFGや三菱UFJなどのメガバンクも売りに押されている。半面、三井不やソニーが引き続き高い。証券会社の投資判断で目標株価が引き上げられた第一生命の上昇が続いている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕