東証前引け、大幅反落 円高と欧州銀行株の下落で、三大銀安い
9日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落し、前日比836円09銭(4.92%)安の1万6168円21銭で前場を終えた。外国為替市場で円高が加速。欧州銀行株の下落も投資家心理を冷やし、運用リスクを回避する目的で売りが広がった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅反落した。
円相場は一時1ドル=114円台まで上昇し、約1年3カ月ぶりの高値をつけた。企業の輸出採算が悪化するとの見方が強まり、トヨタなど輸出株を中心に利益確定売りを促した。
8日の欧州株式市場でドイツ銀行株が急落した。中核的自己資本を拡充するために発行した債券の利払いが滞りかねないとの懸念が浮上。信用収縮の連想が働き、東京市場でも金融株がつれ安した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3260億円、売買高は14億3528万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1878と、全体の97%を占めた。値上がりは38、変わらずは16だった。
三菱UFJや三井住友FG、みずほFGの三大金融グループがそろって昨年来安値を更新。日経平均への影響が大きい値がさのソフトバンクやファナックが下げた。野村の値下がりも目立った。一方、クックパッドが大幅高。入園料の値上げを発表したOLCが上げ、収益予想を引き上げた東急建が上昇した。
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